重量挙げ北京金の韓国代表選手、後輩選手を30分暴行

北京オリンピック金メダリストのサ・ジェヒョク選手を傷害で立件
後輩のファン・ウマン選手を30分にわたり暴行し、全治6週間の重傷を負わせる
サ選手は数々の栄光にきず、リオデジャネイロ・オリンピック出場も赤信号
「態度が悪い」ことを理由に暴行、それを周囲に話したことを理由にまた暴行
ファン選手の家族「示談に応じるつもりはない」

 ファン選手は左目の下の頬骨が陥没するなど全治6週間の重傷を負い、その後メディア関係者から取材を受けた時には「昨年の初めには泰陵選手村の宿舎で、練習中の態度が悪いという理由でサ選手に殴られたことがある」「後にそのことを周囲の人に相談したが、それを知ったサ選手はずっと根に持っていたようだ」などと語った。重量挙げ界の事情に詳しいある関係者は「サ選手は『練習の虫』と呼ばれるほど普段から厳しい練習に取り組むことで知られている。そのため代表選手たちの間では常に緊張感をもたらすような存在だった」「練習に取り組む姿勢や先輩への態度などが気に入らない若手選手を目にすると、そのたびに殴ったりすることがよくあった」などと証言した。

 サ容疑者は事件翌日の今月1日と2日、2回にわたりファン選手が入院する病院に足を運んで謝罪した。しかしファン選手の家族は3日に本紙との電話インタビューに応じ「謝罪には誠意が感じられなかった。サ選手と何らかの示談をする考えはない」と今の心境を述べた。大韓体育会(KOC)の規定によると、傷害事件を起こした選手は最大で3年の選手資格停止または永久追放の処分が下されることになっている。大韓重量挙げ連盟の関係者は「警察による取り調べの結果によっては、サ容疑者は今年のリオデジャネイロ・オリンピックに出場できなくなる可能性もある」と話した。

 今回の傷害事件は、幼い頃からスポーツばかりに没頭する韓国の一流アスリートたちの厳しい上下関係、さらにはそれに伴う暴力的な風潮という弊害によってもたらされたとの指摘が相次いでいる。文化体育観光部(省に相当)は一昨年、スポーツ界における暴力の風潮を「スポーツ界の4大悪」の一つとし、専門の通報センターを立ち上げて今も運営している。しかし先輩後輩という上下間の暴力や女子選手へのセクハラなどは、今なお根絶にはほど遠いのが実情だ。2014年にはロシアに帰化したショートトラックのビクトール・アン選手(31)が「国際大会で優勝を譲るよう関係者から求められ、それに応じなかったことを理由に先輩から暴行を受けたことがある」と暴露し、韓国国内に大きな波紋を呼び起こした。

春川=李革宰(イ・ヒョクチェ)記者 , ユン・ドンビン記者 , イム・ギョンオプ記者
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