どもども、お茶っ葉大国静岡に帰省中のかずかずです。今日東京に帰ります。
帰省というものは、いつしか親の説教を聞くイベントになってしまいました。僕の両親は、僕がやろうとしていることにことごとく反対します。リビング(にある両親の私物)を片付けること、ホステルを始めること、Web上でLGBT関連の言論をすること、などなど。大から小まで数え始めたらキリがないです。
僕は今まで一々両親に「こんなことを始めようと思ってるんだ」とバカ正直に話していました。それも目を輝かせながら。両親はその度に、僕の目標を阻害する要因を片っ端から並べて僕のやる気をそいできました。先日、目標には二つのアプローチがあるなんて話をしましたが、両親と話していても一向に何も進みません。
なんで毎回こんなことになるのか。今回の帰省ではっきりと分かったのが、僕と両親の生きる目的が全く違うことがこの原因であるということです。
両親との会話でよく出てくるフレーズがあります。「世の中」と「普通の幸せ」です。『マスメディアの手のひらで一生を過ごす 〜普通の幸せを求めて〜』みたいな本書けちゃいそうなうちの両親ですが、これらのフレーズから両親が同世代間で共有される価値観に基づいた自分への評価を非常に気にしていることが分かります。両親と僕の生きる目的と、それを追い求める上で発生する障害を整理するとこんな感じです。
目指してる方向が違いかつお互い譲歩する気がないと、何について話しても堂々巡りで、僕と両親が進路について合意することはありません。これを「ねじれの位置」といいます。小学校の頃すでに中3数学をやってたくらい数学が得意な僕でも、両親と自分がねじれの位置にあることに気付くのに24年もかかってしまいました。薄々気付いてはいたのですが、最近ようやく言語化されたという感じです。ついでに文字情報が苦手な人のためにグラフィック化もしときました。
僕は両親のことを愛しています。彼らに幸せになってほしいと心から願っています。しかし交わることのない意見のために何時間も議論してられません。だから親の説教が始まったら反論して泥沼化させずに、向こうが出しきるまで静かに待つことにしました。不毛な議論に時間をかけてやる気を削がれるのが一番もったいないのです。
この考え方は、山梨県民と静岡県民の間で繰り返し議論される富士山の所有権問題にも応用することができます。県境にあるんだからどっちのものになるわけがないのだから、お互いが思うように思っていればいいと思います。ついでに言っておくと、世に出回っている富士山の綺麗な写真は大抵山梨県から撮影されたものであるので、文化的概念上では山梨県民のものでいいのではというのが個人的見解です。ほらほら、こういう不毛な議論をしているうちに、せっかく煎れようとしてたお茶にどんどん渋みが出てきてしまいました。
僕の大好きなミュージカル『Wicked』で、主人公の二人の魔女が別々の道を選ぶシーンにこうあります。
♤I hope you’re happy. Now that you’re choosing this.
♧You too. I hope it brings you bliss.
♤♧I really hope you get it and you don’t live in regreting it.
♤♧I hope you’re happy in the end. I hope you’re happy, my firend."Defying Gravity"ミュージカルWickedより
♤あなたが幸せであってほしい。でも、そっちの道を選ぶのね。
♧あなたこそ。その選択があなたに幸運をもたらしますように。
♤♧あなたが夢を掴めますように。そして後悔がないことを願うわ。
♤♧最後はあなたが幸せでありますように。本当に幸せでいてね、私の友達。
うおぉぉxなんか訳してるうちに涙腺熱くなってきちゃったんですけど!! こうしてグリンダとエルファバは、お互いが幸せであることを願いながら、お互いが選んだ「良い魔女」「悪い魔女」という別々の道を歩み始めるのです。二人のこの態度は非常に見習うべきものがあるよなぁと思いながら、いつも会社のエレベーターで一人になるとこのフレーズを熱唱します。
そして帰省最終日の今日、本当は家から駅まで父に車出してもらうはずだったんだけど、出発間際にまた説教が始まっちゃったので、「選ぶ道は違うけど、お互い元気にやろう。」とハグをして、結局バスで来ました。そして新幹線の中、左手に富士山を眺めながら息子はブログにこう綴るのです。
”I hope you’re happy, my parents.”
ほなほな。
- 作者: グレゴリー・マグワイア,服部千佳子,藤村奈緒美
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