【コラム】低レベルに甘んじる韓国料理のシェフに「高い基準」を見せよう

金持ちは高い韓国料理を食べよ

 結論は、(こんなに素晴らしい料理が味わえるのなら)シェフの偉そうな態度は多少我慢しなければらない、ということだ。舌で感じた料理の味や、これまで見たこともない趣のある器、素晴らしかったのは決してそれだけではなかった。

 30年寝かせたしょうゆで煮込んだという公州産の玉光ぐりは、実に甘みがあった。伝統的なしょうゆを長期間寝かせると、塩の成分が結晶となって沈み、まろやかになって甘みが出てくる。くりをしょうゆで煮たかと思えば、カルビにはしょうゆではなく塩を使っていた。それも、にがり成分を取り除いた新安産の高級塩だ。塩とワイン、発酵液で味付けしたというカルビを食べてみて、実に驚いた。しょうゆの場合、塩辛さ、コク、甘みがあるが、塩はたいてい、単純に塩辛いだけだ。しょうゆが四輪駆動車だとすれば、塩は一輪車だ。しかしわずか一つのタイヤだけで、タイヤ四つの自動車よりも遠くまで走るという印象を受けた。

 腕の良いシェフは、使い慣れた材料で全く異なる質感の料理にトライする「化学の実験者」だ。その点で「韓国料理の新発見」という言葉がぴったりだった。その日は米国と日本の有名シェフたちが団体で訪れ、食事会をしていた。「選手」同士は互いに探りを入れるのだろう。

 一緒に行ったメンバーの中には「愛国者」が多く、大統領の主宰する青瓦台(大統領府)の夕食会に出席したことのあるメンバーもいた。このメンバーは「器も料理も『エセ韓国料理』だった」と嘆いた。また、外国の韓国公館で食事をしたという別のメンバーは「外国の公館では、シェフたちの韓国料理に対する基準があまりに低すぎる(低いレベルで妥協している)」と話した。大統領は世界の超一流の人物に会い、外交官はその国の実力者たちと会う。「韓国キムチ、ワンダフル」というレベルを超えて、韓国の飲食文化をもっと理解してもらわなければならない人々だ。

デジタルニュース本部=朴垠柱(パク・ウンジュ)副本部長
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