李健熙(イ・ゴンヒ)サムスン電子会長の長女である李富真(イ・ブジン)ホテル新羅社長(44)=写真左=と離婚訴訟中の任佑宰(イム・ウジェ)サムスン電機副社長(47)=写真右=が、常任顧問に退いたことが6日、分かった。
財界と法曹界によると、任氏は今月初め、サムスン側から常任顧問への異動を命じられた。常任顧問は副社長と違い、業務の権限や領域が定まっておらず、事実上、経営の一線から退いたことになる。給料は副社長時代の半分ほどになり、法人クレジットカードは支給されないという。
大企業では上級役員が引退する際、すぐに退職するのではなく一定期間にわたり相談役や顧問を務めるケースが多い。任氏側も今回の人事をこれと同じようなものと受け止めている。
李富真社長は1999年、サムスン物産の平社員だった任氏と結婚。2人の間には小学生の息子がいる。昨年10月、2人が離婚調停を進めていることが明らかになったが、同年12月のサムスングループ定期人事では任氏は副社長のポストから動かなかった。今年2月、子どもの養育権や財産分与などをめぐり折り合えずに調停が不調に終わり、2人は本格的な離婚訴訟の手続きに入った。訴訟は李社長が起こしたものだ。任氏は8月、裁判所に対し「家庭を守りたい」と述べている。
任氏の弁護士は「常任顧問への異動は離婚を促すための(サムスンによる)圧力だ」と主張。これに対し、サムスン側は「経営から退き顧問に就任したのは確かだが、人事と離婚訴訟は全く関係ない」と否定している。