高齢者こそインターネットを使うべき!? Twitterおばあちゃんに色々聞いてきた
こんにちは。ヨッピーです。
普段はインターネットでライターとして色々と記事を書いているのですが、
以前書いた記事の中にこんなものがあります。
〈参考記事〉高齢者世代の父親にスマホの使い方を教えたら意外と便利で喜んでました
僕は元々、「スマホやタブレットなんかの最新ガジェットって、若者というより、むしろ高齢者の人達にこそ使われるべきなんじゃないか?」という持論を持っております。
↑の記事もその主張に基づいて書いたものなんですが、例えばそういうガジェットを使えば、
・欲しいものを買いに出なくてもネットショップで買えるし宅配もして貰える
・老眼で小さい文字を読むのが辛くても電子書籍なら文字の大きさを変えられて拡大も出来る
・手紙、電話に比べてメールやLINEなどで気軽にコミュニケーションが取れる。従来の通信より明らかにコミュニケーションコストが低い。
・一方的に情報を受信するだけのテレビに比べるとインターネット上は調べたい情報を検索するなど「情報を取りに行く」というプロセスが入るため認知症の予防になる(実際、ネット検索をする事は脳を活性化させ認知症の予防に大きな効果を見せのではないか、という研究結果も発表されている)
・一定期間スマホを触ってないと、自動的に登録した連絡先に通報が入るようなアプリもある。それによって異変にすぐに気付ける。
他にも通話料金を気にせずテレビ電話が出来たり、写真アルバムをネット上で共有しておけば離れた場所に住む孫の成長を見守る事だって出来るわけで、
スマホ・タブレットを活用することは高齢者世帯のQOL(クオリティ・オブ・ライフ)の向上にどう考えたって役に立つんじゃないかと思ってるわけです。
この辺の事は今後、日本が超少子高齢化社会化を迎えるにあたって避けては通れない話なのではないかな、と。
ちなみに、現在65歳以上の方のインターネット利用率は70%以上※と言われていますが、これは単純にメールのやりとり程度の利用も含んでいるからでして、SNSの利用率になるとグッと減って13%程度に留まりますし、ネットショッピングの利用率になると10%程度とも言われております。
※総務省情報通信白書(平成25年)
そんな中で
高齢者の方にこういった新しい機器を使いこなすのはやはり難しいんじゃないかという問題点もあるわけです。そこで……。
日本には年上の人は敬わねばいけない様な空気がある。いくら年を重ねても敬えない人はたくさんいる。何年生きたとてそれだけで人間ができるものでは無い。敬えない年寄りを敬う必要はない。敬わねばいけない様な空気に悩まされる若い人が気の毒だ。
— ミゾイキクコ (@kikutomatu) 2015, 11月 30
今日は、81歳にして日々Twitterを活用して情報を発信し、フォロワーが5万人を超える「Twitterおばあちゃん」ことミゾイキクコさんに、高齢者世代のネット活用術について色々聞いてみたいと思います!
「こんにちは!いやー、ミゾイさんってめちゃくちゃネットを使いこなしてますよね。Twitterのフォロワーも僕より全然多くて悔しさしかないです!いつからネットをはじめたんですか?」
「ネットは64歳の頃にはじめたのでもう17年になりますね」
「えー!完全にベテランじゃないですか!僕は今34歳で、ネットはじめたのは19歳からなんで15年とかなのか。僕よりも全然早い……!」
「元々は株の取引をしていたんですけど、帳簿つけて電卓で計算して、っていうのだとすごく大変なんですよ。税金を申告するのにミスがあっちゃいけないですし……。そこでパソコンを習ってエクセルを使うようになったんですよ。それと一緒にインターネットもはじめたんです。Windows98の頃ですね。そこから一年くらいで今度はホームページを作りましてね。今みたいにブログっていう便利なものもなかったですから。そこに友達が送ってくれた写真を載せたらみんな喜んでくれるからそういう風に使ってましたね。今ならクラウドで簡単にできますけど当時はホームページにいちいちアップしなきゃいけなくて」
「すげぇ。81歳のおばあちゃんの口から『クラウド』っていう単語が出てくるとは思わなかった。今ではどんな風に活用してるんですか?」
「もうなんでもやりますよ。Twitterもやりますし、本も読みますし、ネットショッピングもやります。ここにある健康器具も全部Amazonで買ったものですよ。後はお茶の教室の練習風景を録画してYoutubeにアップして復習に使ったりとか……。文字を拡大して本が読めるので今はもっぱらiPadを使ってます。この年になると老眼で普通の本は読むのが大変なんですよ」
「おお……!マジで完全にネットを使いこなしてる……!でも確かに、ネット歴17年のベテランならそれくらい出来て当然なのかも知れないですね……!」
インビュー中に「試しに呟いてる所を見せて下さい」と言ったらその場で写真を撮ってサクッとアップしてくれた。完全に使いこなしてる!
■インターネットをやっていて良かったこと
「そうやってもう17年もインターネットに触れてきて、『ネットやってて良かったな』って思うことってなんですか?」
「若い人とフラットな目線でお話出来る事ですね。もう私も81歳ですから、外で見ず知らずの若い人達とお話する機会なんてそうそう無いんですよ。外で知り合った人なら向こうは『おばあちゃん』っていう目で私を見るでしょうし、私も『子供だ』っていう目で見ますからフラットで対等な関係では無いんですよね。ネットだと文字だけですから余計な先入観が無くて良いですね」
「なるほど。ミゾイさんのTwitterを拝見してると若い人達とけっこう活発にやりとりしてらっしゃいますもんね」
「そうですね。見てるだけのテレビと違って、そうやって若い人とやりとりしてますと、『次は何書こうかな』って考えますから。それが良いんでしょうね」
「ご家族の方もミゾイさんのTwitterをご存知なんですか?」
「ええ。孫も見てますよ。なのでTwitterの更新の間隔が空くと『何かあった?』って連絡してきたりしますね。子供達と離れて私は一人で暮らしているので、子供達にとっては私が今何をしているか把握できることは便利でしょうね」
「逆にネットやってて困ったことってありますか?」
「無いですね」
「無いのかよ」
「困ったことがあったら自分で調べて対処しますし。Twitterで誹謗中傷されたりする事はありますけど、文句言う人はどこにでもいますから」
「めっちゃ頼もしいな……」
ミゾイさんのiPadの中身。Twitter以外にもYoutubeや株のアプリなどがたくさん
■ミゾイさんの周囲の高齢者世代のネット利用状況
「ミゾイさんの周りの高齢者の方もやっぱりネットをバリバリ使ってらっしゃるんですか?」
「着付け教室をやっている友人はHPを作ったりしてますね。そもそもインターネットをやってない人達は『買いたいけどどこで何を買えば良いかわからない』みたいな人が多くて。もうほんとに、最初の一歩からしてわからないんですよ。子供が買って設定してくれる人が居れば別ですけど」
「ミゾイさんに『教えて!』って言って来る人とかいないんですか?」
「私は自分が使うのに忙しいので教えません」
「笑う。じゃあやっぱり、今ネットやってない高齢者の人は、何かきっかけがないと新しくはじめるのは難しいんですかね?」
「全部設定して最初から使える状態にして渡す、とかですかね。でも何かしらやりたい事が無いと絶対に勉強しませんよ。勉強なんて若い人も嫌いなんだから、高齢者はもっと勉強が嫌いですよ。変に教えようとすると絶対に嫌いになるんで、まずは最初に『楽しいこと』とか『面白いこと』を与えるのが良いんじゃないでしょうか。そしたらそれを使いこなすために勉強するようになるでしょうし。そもそも『インターネットがしたいと思ってない人』に教えるのは無理ですから」
「なるほど。飴を先にあげるって事ですね。これをこうすれば孫の写真が見れるよ、とか孫とテレビ電話出来るよ、とか」
「そうですね。後は好きな映像や写真を見せたりとかね。面白い、とか楽しい、とかが大切です。後は儲かる、とか節約出来るとか。そういうのがあるとやる気になるんじゃないかしら」
「お金はやっぱりみんな好きなんですかね?」
「そりゃあもうみんな大好きですよ。でもね、私がiPadを買ってそれが○○万円だってなると『高い!』って言うんですよ。『勿体ない!』って。でもね、そういう人達はしょっちゅう外食してたりするんですよね。そんなの、私に言わせれば家で自分で作れば安くて美味しいものが食べられるのに、それこそ勿体ないですよ。ハンバーグはレシピを調べれば自分で作れますから。でも、iPadは作れませんからね。買うしかしょうがないじゃないですか。自分で作れないんだから。そこにお金を払う事に勿体ないっていう意識は無いですね」
「なるほど……!そもそも、iPadでネットショッピング覚えたら普通に買い物するより安く済む事も多いですもんね。旅行の手配だって安い所探せるし、逆に節約になるんじゃないかっていう気がします」
「そうなんですよ。こんなに便利なのになんで使わないんでしょうねぇ?」
ミゾイさんがお持ちのタブレットの数々。サーフェスもあるよ!
■高齢者こそネットを活用すべき?
「じゃあそろそろ締めのお時間、という事で是非お伺いしたいんですけど、やっぱり高齢者こそネットを活用すべきっていう僕の持論、どう思います?」
「ええ、その通りだと思います」
「やっぱりーー!ですよねーーー!」
「どうしてもね、寿命の問題もあって今後は私みたいに夫を亡くした女性高齢者の一人暮らしが増えると思うんですよ。でもね、ネットを使わずに一人で自立した暮らしをするって、やっぱり大変ですよ。足腰が弱って来る中で毎日の買い物をどうするか、何かが壊れたらどうするか、困った時にやっぱり頼る人が必要になるんです。でもネットがあれば大抵の事は調べれば出てきますから。そうやってネットを活用することで、自分の子供達に負担をかけずに生きられるようになるんじゃないかな、って」
「確かに……!」
「自分がしっかりしてないと、子供達が私の面倒を見るために縛り付けられる事になるじゃないですか。私はそれが嫌なので自分の事は自分でしたいし、そのためにネットを上手に使うことが大事だと思います」
「なるほど!今日はありがとうございました!」
ミゾイさんのお家の庭になっていた柿も頂きました。
【本日の感想】
そんなわけでミゾイさんに色々とお話をお伺いしたのですが、何よりビックリしたのが、ミゾイさんはとにかく早口で良くしゃべるんですよね!
ミゾイさんが元気だからネットを使いこなせているのか、それともネットを使っているから元気でいられるのかその因果関係はまだわかりませんが、ミゾイさんがネットのおかげで便利に暮らせているのは間違いないようです。
そして、ここから製品のPRになるんですけれども、高齢者の方がネット利用するとなると、やっぱり怖いのがセキュリティの問題なんですよね……!
オレオレ詐欺みたいに高齢者を狙い撃ちにした詐欺も横行しているわけですし、その辺の問題が今後はきっと浮上してくるんじゃないかなぁと。
そもそも、今回の企画については僕の持ち込みでして、商品と企画がマッチしすぎてて「宣伝乙」って怒られそうですけど、でもたぶんこの辺って今後必要になって来ると思うんですよ……!
オレオレ詐欺が高齢者を狙い撃ちしたのと同じように高齢者の方々がネットを使うようになるとフィッシング詐欺なんかのセキュリティ対策は絶対に必要だろうし、24時間、インターネットの質問に答えてくれるサービスなんかはどう考えたって便利ですからね……!
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というわけで今回のテーマである「高齢者世代とインターネット」なんですが、前述の通り高齢者の方のQOLを上げる、という大きな意義以外にも、少し嫌らしい言い方ですが若い人達にとっても「得な話」でもある気がするんです。高齢者の方々が病気にならずに自立して元気に過ごせればそれだけ若い世代の負担が減る事に直結しますし、
3000万人と言われる高齢者世代の方々がインターネットに参入してきたらそれだけでもうすごく大きなマーケットです。特に日本は世界にさきがけて高齢化社会を迎えるわけで、そういったマーケットに合わせたサービスを開発する事で、言わば高齢者向けIT産業の先進国になれる可能性を秘めているんじゃないでしょうか。いずれ高齢化の波は世界的に広がる事を考えると、世界基準のサービスを日本発で作り出せる可能性はこれからじゅうぶんにあるんじゃないかと思うわけです。
国の未来を考える時って「若者vs高齢者」っていう世代間闘争の側面を見せる事もありますが、この「高齢者世代にインターネットを届ける」という部分については高齢者も若者も双方にとってメリットのある話なのでもっと前向きに進んでも良いんじゃないかと思うんですよね。
今回のミゾイさんの話はひょっとしたらただのレアケースかも知れませんし、僕が能天気な事を考えているだけで色々問題とかもあるかも知れませんが、異論反論も含めて今後議論が深まって行くと良いな、と思う次第です。
・2015年12月8日現在の情報をもとに作成されたものです。今後、価格の変更、仕様の変更、バージョンアップ等により、内容の全部もしくは一部に変更が生じる可能性があります。
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