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カズログ

日々想うことを綴る、3児の父親になるカズヤのブログです。iPhoneやiPad、MacなどAppleの話題も多いかも!

映画「杉原千畝 スギハラチウネ」の感想!キャストに違和感も感動的で面白かった!

映画

映画「杉原千畝 スギハラチウネ」を見てきました。

邦画なんだけど邦画っぽくない雰囲気を感じさせる映画。監督は日米映画を手がけることが多いチェリン・グラック監督でアメリカ人なんだけど日本で育ったことから日本の心を持った監督と言えるかもしれません。だからこそ、この作品を上手くまとめることができたのかもしれません。

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映画「杉原千畝 スギハラチウネ」を見た感想

この映画を見て感じたことは客の年齢層がやはり高いということでしょうか。

もっと若い人たちにも見てほしいなーって思いつつも、その中に混じって見ていました。いや、前半は少し眠くなりましたが、中盤から後半にかけてはなかなか感動的な映画だったと思いますよ!

唐沢寿明さんの演技が心に響きましたね!

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基本的には感想を中心に書いていきますが、以下ネタバレも含まれています。と言って、実在する人のお話なのでネタバレも何も...といった感じです。

字幕がメイン

邦画なんですけど、物語の大半はリトアニアのカウナスやドイツが舞台となっているので、基本的には日本語が出てくることはありません。

家の中では杉原千畝や妻の幸子が日本語で会話をしている程度で、英語での会話がメインです。吹き替え版はないので字幕を見るのが辛いという方はちょっと見づらいかもしれません。

杉原千畝領事を演じたのは唐沢寿明さんで妻の幸子は小雪さんです。

ご本人の写真を見る限り、雰囲気すら感じさせないキャスティングで少しだけ違和感を感じましたが、役者の演技はなかなか良かったです。

唐沢寿明さんは見事な英語を使って現地の方と話していました。小雪さんは基本的には家の中にいるシーンがほとんどなので、基本的には日本語しか話しません。

いつも笑顔で杉原千畝を支えている、そんな女性像がリアルに描かれていましたね。「どこまでも、あなたに付いていく」。そんな感じです。

重厚な雰囲気の映画

シリアスな場面が多く重厚な雰囲気のある映画です。

また、この映画は当然ながらアクションシーンなどは皆無で、基本的には淡々と物語が進んでいく映画です。そーいうのを求める方は見ないほうがいいのかもしれません。まあ雰囲気からだいたい想像はできるとは思いますが。

第2次世界大戦中の映画ってことで泥臭さがありそうですが、外交官という身分の方のお話なので、意外とスマートな描写が多くなっています。特に小雪さん何て綺麗な服をいつも来てニコニコしている、そんな感じの場面が非常に多かったです。

実際にもそんな感じだったんでしょうね、庶民と官僚ではやはり生活レベルがかなり異なっていたんだろうなーとも映画を見て感じましたね。

ナチスからユダヤ人を救った男の物語

あらすじとしては単純で予告を見ればそれが一目瞭然です。

「杉原千畝 スギハラチウネ」は実在する人物のドラマが描かれた映画となっており、第2次世界大戦中に同盟を強めるナチスドイツと日本の中、ナチスから追われるユダヤ人を杉原千畝の独断でビザを発給し日本に通過させたという実話をもとに作られた物語です。

基本的にはこれだけのあらすじなんですが、その中に杉原千畝という人物像と、周囲を取り巻く人たちの物語が描かれており、6000人のビザを発給したとされ子孫を含めると杉原千畝に助けられた命は40000人にもなるんだとか。

いくら外交官とはいえ、日本政府の許可なしでビザを大量に発給するってものすごい行動力だと思います。それだけ、ナチスがユダヤ人に対して迫害しているという事実を目の当たりにしていたということなんでしょうか。

映画の中では、なぜナチスがユダヤ人を迫害しているのかがよく分からなかったような気がしましたが、あの立って伏せての惨殺シーンはちょっと可哀想すぎるくらい。

このようなことが本当に行われていたと考えると胸が苦しいですね。

この映画は、家族の協力のもとに物語が構築されたということもあり、かなり細かい家族の部分も描かれていたように感じます。エンディングには実際の杉原千畝とその家族の写真がスライドされていたのが、なんともリアリティのある話です。

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難民というもの

どうしても、島国である日本に住んでいると難民ってのはあんまり馴染みがない言葉ではありますが、現在もヨーロッパに行けばドイツが難民の受け入れをしていたり、リアルタイムな事実があったりします。

故郷を捨てて命さらなが異国の地に行こうってどんな気持ちなんでしょうかね。70年ほど前に日本でも同じような(同じではないか)状況下があったとは想像もできないのです。

杉原千畝がセンポと呼ばれた理由

杉原千畝(すぎはら ちうね)は欧米人にとっては非常に発音がしにくい名前だったそうです。そのため音読みとなる「センポ」と呼ばせていたという経緯があり、映画の中でも「センポーと呼んでくれ」と自ら言っていました。

なんか、最初はなんでこんな変な名前を呼ばせていたんだろ...って思っていましたが、発音の問題だったんですね。納得です。

しかし、杉原千畝が自ら「センポ」と呼ばせたことでヴィザを発給して助けられたユダヤ人がの後に彼のことを探すのに30年近い年月がかかることになります。それは、彼らは「センポ」として杉原千畝を探していたことから。だから、外務省は「そのような人間は存在しない」と言っていたのですが、まあ、ここは杉原千畝であることに気づいていたんでしょうけど、後に評価された杉原千畝ですが当時の外務省としては「最低な外交官」だった彼を外務省は存在すら消し去りたかったということなのでしょうね。

濱田岳さんの場面が感動的

意外と感動的だったのはソ連から日本をつなぐフェリーで検閲(?)をしていた旅行会社の社員・大迫辰雄役を演じた濱田岳さんでした。

杉原千畝はあくまで日本への通過ヴィザを発給しただけで日本にたどり着けるという保証はありませんでした。大迫辰雄もいくらヴィザがあるとはいえ大量に難民が押しかけてきている状況や、明らかに日本入国の資格がないような人たちも大勢いました。

最初は彼も政府の言う通りに入国を拒否すべきという考えを持っていましたが、ある少女の眼を見て日本に住んでいる自分の子を見ているように感じ「できることなら彼らを助けたい」と迫真の演技をしていました。

この場面はなかなか感動的でした。

これを許可した外務省の偉い人も杉原千畝の後輩ということもあって「責任は私が取る」とし最終的に難民を入国させたのですから、杉原千畝のただ一人の思いだけでは成しえなかったことと言えるのかもしれません。

 

映画「杉原千畝 スギハラチウネ」、なかなか感動的な映画でした。

彼の人生を2時間ちょっとで収めるのはかなり無理があったの後半はかなり駆け足になり、淡々の時代が流れていったように感じますが、まあ実際にも激動の時代ということであっという間に時が流れていったんだと思います。

この映画を見て感じたのは、杉原千畝の妻の幸子が全然嫌な顔もせずについていき彼を支えていたという点が非常に印象に残っています。何をしたというわけではありませんが、彼女がいたからこ杉原千畝はこのような行動ができた...のかもしれません。

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