カルビーフードコミュニケーション
「ポテトチップス製法の謎を探れ」
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菊地 勝美氏

カルビー株式会社    生産本部エンジニアリング統括部

1978年入社。前新宇都宮工場長として、カルビーの製造ラインの全てを把握する。2010年1月よりエンジニアリング統括部に異動。


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近藤 和仁氏

カルビー株式会社    東日本カンパニー 原料専門官

1992年入社。契約農家と協働し、原料の品質管理、工場への品質保証までじゃがいもに関わる多大なプロセスに関与し把握する。

じゃがいもはどこからやってくる??

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まずは、原料となるじゃがいもがどこからやってきて、工場に届いてから商品化にいたるまで、どういった流れを辿っているのか教えていただけますか?

近藤

全国にカルビーグループが管理するじゃがいも貯蔵庫があり、24時間、温度・湿度・品質・CO2などを管理しながら、じゃがいもにストレスを与えないよう、とれたての鮮度を維持するために最適な条件で貯蔵しています。そこからじゃがいも専用船や陸送などにより全国の工場に適時届けられます。

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貯蔵庫から工場まで、運搬にはどのくらいの日数がかかるのですか?

菊地

北海道のじゃがいもは貯蔵庫を出荷後、苫小牧からフェリーで仙台港を経由して、翌朝6時頃には新宇都宮工場に届きます。ですから、出荷後48時間以内には工場に入荷されていることになります。

近藤

今日加工しているポテトチップスの原料じゃがいもは、前々日の昼頃に北海道の貯蔵庫を出荷したものということになりますね。

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こちらの新宇都宮工場では1日どのくらいのポテトチップスを製造しているのですか?

近藤

生産量はシーズンごとで多少バラつきはありますが、この時期ですと毎日120tのじゃがいもを使い約55万袋のポテトチップスを製造しています。

産地と工場と消費者と、つながる信頼の糸。

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原料のじゃがいもは北海道産のものだけを使っているのですか?

菊地

いいえ、総量の約8割のじゃがいもは北海道産ですが、残りの約2割は北海道以外の地域で収穫されたものです。じゃがいもも桜前線と同じで、5月中旬に南の鹿児島(種子島)から収穫がはじまり、6~8月は関東地方、その後東北地方をへて、盆過ぎあたりから北海道に切り替わるという具合に、シーズンごとで産地が変わるのですよ。

近藤

実は、工場と産地が紐づいていることをお客様はあまりご存知ないようですが、全国7箇所の工場ごとに、北海道産については原料のじゃがいも産地は決まっています。毎年同じ契約農家さんと同じ工場が取引することで切磋琢磨しあいながら品質向上につながると考えています。そのため私のような原料専門官を通して、直接契約農家さんと工場がやりとりできるような体系にしているのです。

菊地

毎年違った地域の生産者のじゃがいもがそれぞれ違った工場に届いてしまったりすると、互いに品質に責任がとれなくなり、責任のなすりつけあいになってしまうでしょ?「去年の○○地区のイモは良かったけど、今年の◆◆地区のイモはイマイチだなあ・・・」なんて言ってはいられませんからね。最終消費者まで原料生産者(農家)も加工業者(カルビー)も一緒に責任を持って良い物を作りましょう!ということで始まった「三連番地」。これは、顧客要求品質の不具合をどうやって産地まで戻し、どう対策を打つか、という目的のもとに開発されたカルビー独自のトレーサビリティの仕組みなのです。

近藤

毎年産地がばらばらだと、(品質の)フィードバックができなくなってしまうし、工場によって微妙にラインが異なっていたりもするので。ひとつの工場でひとつの生産地であれば、原料生産者(農家)と工場(カルビー)が一緒になって品質改善に取り組むことができるわけです。

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「三連番地」という独自のシステムを導入することで、原料生産者が一定の消費者まで継続的に品質に対する責任を負うわけですね。つまり、原料産地と工場、そして消費者までが信頼の糸でつながっているのですね。

菊地

じゃがいもの栽培方法は4年輪作が主流であり、栽培する畑(場所=番地)が毎年変わります。そこで、じゃがいもを栽培する畑をしっかり把握し、その畑の番号(番地)と貯蔵庫、そして工場の3つが協力して品質管理をしているのです。つまり、原料生産(農家)、原料貯蔵(カルビーポテト)、そして製品加工(カルビー工場)と、この3つが串刺しになってはじめて成立するシステムと言えるのです。

ストックを持たないことにこだわる、その理由。

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工場にストックがないと、天候不良などで原料のじゃがいもが届かないとか、そういう供給トラブルはありませんか?

近藤

よほどの台風でも来ない限りは、毎日きちんと届きますよ。

菊地

それより怖いのは、内地(北海道以外)の新じゃがですね。実は新じゃががとれる春から夏頃までが一年で最も供給バランスが不安定な時期。いわゆる自転車操業で「掘って運んですぐ加工」だから、天候不良で長雨が続いたりしたら、もうお手上げです。営業もその時期の販売計画を立てるのにえらい苦労しています。ただでさえ内地は収穫量が少ないのに、供給しなきゃいけない工場の数は7工場もあるわけだから、北海道で収穫がはじまるまでの3~4ヶ月間はまさに綱渡り状態で、社内がピリピリしています。

近藤

梅雨前線は必ずチェックしています。温暖化でいまは北海道でも梅雨があると言われ、そのせいで生育が遅れたり、雨が降ると畑の土が乾くまで2~3日は畑に入れないので(収穫できなくて)大変です。

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そこまでして在庫を持たない理由は何ですか?

近藤

目には見えなくても、じゃがいもは貯蔵庫の中でも徐々に品質が変化していきます。これが特殊な貯蔵設備を持たない工場の倉庫ではなおさらだからなのです。

菊地

生食用で食べる分には問題ないのですが、ポテトチップスのような揚げものでは、じゃがいもに含まれる糖の具合によって揚げ色が変わるため、原料の品質は非常にデリケートな問題です。ですから工場では在庫は持たないようにしています。その日届いた原料は、その日のうちに使い切る。そうすることで安定した品質のポテトチップスを提供することができるのです。

近藤

じゃがいもは一定の休眠期間を過ぎると発芽が始まります。また、外的ストレスを加えるとさらに発芽が促進されますので、扱いには慎重さが要求されるのです。一般にはなるべく土の中にいるのと同じ状態において、暗くて、湿度の高いところで、低温で貯蔵するといいと言われています。

菊地

ちなみに収穫時に腐れがコンテナの中に入ると、発芽が早くなる傾向があります。保存本能なのか、子孫を残そうという働きがおこるのでしょうね。

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消費者はパッケージの製造年月日は見ても、ジャガイモの収穫日まではあまり意識していないと思うのですが・・・

近藤

カルビーではパッケージから産地や品種などがわかるようになっています。

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原料の品質の善し悪しで、ポテトチップスの味に違いが出るものですか?

近藤

一般の方にはそうそうわからないかもしれません。ただし、原料じゃがいもの品種が変わるとヘビーユーザーはわかるみたいです。トヨシロからスノーデンに変わった瞬間に、「なんだか今までの味と違うみたいですが?」って問合せがあることも。みなさん、敏感に反応されますね。比重検査など理化学的には何の変化も無いのだけれど、感応検査員が食べてみたら確かに味が微妙に違うってことが年に何度かあるので、加工後は感応検査員が厳しくチェックしています。

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まるでじゃがいものソムリエですね。どれだけ科学技術が進歩しても、やはり最後には生身の人間によるチェックが欠かせない理由がよくわりました。

不揃いなじゃがいもではダメ?

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畑で収穫された後、貯蔵庫で保管する際や工場でラインに入れる前などに、じゃがいもの品質検査をするということですが、具体的にどのような検査を行っているのですか?

近藤

主に、じゃがいもの比重や内部障害の検査と、外部傷害の検査を行います。これらは機械でやることも多いのですが、やはり人の目でチェックしなくてはわからない部分もあり、外部損傷チェックでは人手をかけてWチェックをしています。

菊地

貯蔵庫を出庫する際の品質データをもとに生産ラインに投入する工場もありますが、新宇都宮工場では二重に、ロット単位で同様の検査を行っています。新宇都宮工場は他の工場と比べるとライン数が多いので、精度を高めるために念には念を入れるというわけです。

近藤

特に比重は、食感<パリパリ感やサクサク感>に関わってくる部分ですので重要です。例えば、比重が高い場合はバリバリ感が増すので、ジャガイモをスライスする際に厚みを薄くしてベストな食感をキープするなどの工夫をほどこしています。

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あのぅ・・・基本的な質問なのですが、内部障害とはどんな状態をさすのですか?

近藤

もともとじゃがいもは寒冷地で栽培される作物なので、暖地栽培には向かない作物。しかし、5月頃から内地で収穫可能にするためには、3月~4月あたりに畑を透明のビニールのようなもので覆って地温を上げるのですが、その際、地温が上がり過ぎるとじゃがいもが急激に肥大化して内部に空洞ができることがあります。このような状態を内部障害と言います。そのまま使うとドーナツみたいに中心に穴の開いたポテトチップスになってしまうので、とても販売できません。

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地温が低いと育たないし、高くなると肥大化したり水分が多くなったり、じゃがいもってとてもデリケートな作物なのですね。
ところで、工場に運ばれてきたときに原料のサイズがバラバラだと、加工するのも大変ですよね。どのくらいのサイズが一番いいのでしょうか?

菊地

野球ボールより少し大きい位のサイズが一番ですね。120~130グラムくらいに形をそろえてくれると工場側はオペレーションがしやすいかな。

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大き過ぎるとダメな理由は?

菊地

大きいじゃがいもは340グラムを上限に、(内部障害が増えるので)トリミングラインでチェックをした後、4つ切り位にスライスして加工を行うのですが、これでは歩留まりが悪くなる。

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あらかじめ品質がよいものを使うことで次のオペレーションの手間を減らすことにもつながりますよね。ちなみに、大きいものは4つ切りにするということでしたが、トリミングされていると、消費者の中には「あれれ?」と思う方もいらっしゃるのでは?

菊地

いや、そうとも限らないですよ。消費者調査をすると、逆に不揃いなほうがいいという意見もあります。大小さまざまな形が混じっている方が、食感を楽しめるのでしょうね。

歯ざわりは、スライス次第。

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さきほどから話にあがってきていますが、スライスするじゃがいもの厚みはどうやって決めているのですか?

菊地

やはり食感の違いをきちんと出すことを考えて、厚みを少しずつ変えています。どうしても比重が高いとバリバリ感がでるのでそれを補うために薄くしたり、比重の低いものに関しては食感を高めるために厚くするなど。といっても0.何ミリの世界ですけどね(笑)

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同じポテトチップスで厚みに違いがあったなんてまるで気付きませんでした。微妙な歯ざわりの違いにまで留意していたのですね。驚きです。

菊地

あくまでも比重測定した平均比重によってスライサーの刃をセットして、スライス後に測定器でチェックして規定値になっているかどうかを確認します。そこで、ちょっと薄いとか厚いとかなると、スライサーをもう一度セットし直します。

近藤

品種ごとにも厚みは変えるのですよ。品種ごとに設定値があって、たとえばスノーデンとトヨシロでは厚みに差があるとか。

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食感をうまく出すために、比重と品種によって厚みを調整しているのですね! ところで、ギザギザカットでおなじみの「ア・ラ・ポテト」がありますが、これは通常のポテトチップスとはスライス方法が違うのですよね?

菊地

というより、スライサーの刃の形状が違います。スライサーには、「フラット型」、「山谷型」、「波型」の3種類の刃があり、ギザギザポテトの場合は「山谷型」のスライサーを用います。それでスライスするとこういう形になるわけです。

「油」の鮮度が知りたい!

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じゃがいもの鮮度にとてもこだわっていることはよくわかりました。では、じゃがいもを揚げる油は、どのくらいの頻度でとり替えているのですか?

菊地

結論から言うと、油は替えません。油はポテトチップスを作る過程でどんどん減っていきますから、ヒートエクスチェンジャー(熱交換器)で加熱した新しい油を随時継ぎ足しているのです。したがって、すべての油を新鮮なうちに使い切ることができます。サイクロン分離器というものを使って高速回転で遠心分離をかけながら揚げカスも除去しているので基本的に油はいつも新鮮で、替える必要がないのです。 天ぷら鍋のようなもので下から直火であぶっていくと、油はどんどん傷んで酸化してしまうので、ヒートエクスチェンジャーを通して間接加熱をしています。ですから、普通に天ぷら鍋で加熱した油とは(劣化速度が)まるで違います。 滞留しているところに加熱するのではなくて、ある程度流れを作ることによって油の劣化をおさえながら加熱します。そうすると空気に触れることが無いので酸化しにくい。空気がなければ当然酸化しませんからね。

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では、カルビーの油は酸化しない?

菊地

地球上に酸素がある限り、酸化しないということはありません。ただし、製法も配合も、酸化しにくいように考えています。意外でしょうが、ポテトチップスの揚げ油は、ご家庭でストックしている油よりもずっと酸化度が低いですよ。

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これまでのお話を聞いていると、ポテトチップスの原料は、じゃがいもも高いものを使っているし、油に関しても家庭の油なんかと比べて、ずっと酸化度の低いものを使っていますね。そこらへんに誤解があるみたいですね。ところで、1日に何リットルくらいの油を使用するのですか?

菊地

120tのジャガイモを加工して揚げるのに、およそ14~5tの油を使います。ちょうど油の話が出たので補足しますと、当社ではコメ油とパーム油をブレンドして使用して使っています。ブレンド比率はメーカーごとに違っていますが、ポテトチップスには基本的には、コメ油かパーム油かパームオレイン油の3種が使われます。

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油の種類によって、味や風味、品質に違いが出るのですか?

菊地

パーム油は酸化しにくいのが特長。あるアメリカのメーカーのポテトチップスは、パームオレイン100%で揚げていますが、これは少し硬い油で口どけが悪いので、口の中に油が残る感じがあります。また、油の味はすごく淡白で風味はない。コメ油は安定性が悪いのですが、風味がある油なので日本人にはすごく好まれています。パーム油だけでは油っぽいという意見が出てくるし、コメ油だけでは劣化(酸化)スピードが早いのが難点。そこで、パーム油とコメ油をブレンドすることで時間が経ってもおいしく食べていただけるような工夫をしています。

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なるほど。安定性(劣化防止)と風味の兼ね合いで、油の配合を決めているのですね。

ポテトチップスに焦げがない秘密

菊地

一般的にポテトチップスは高温、短時間で揚げるのが基本。商品によって若干製法は違いますが、定番のポテトチップスやギザギザポテトですと、2分間ほど揚げています。堅あげポテトの場合は、低温で揚げることによって糊化スピード(でんぷんのノリ化スピード)を下げて、食感に堅みを出しています。さらに言えば、揚げ温度はじゃがいものコンディションによっても微妙に変わります。たとえば、中長期貯蔵イモは、芽が出ないようなるべく低温で貯蔵するため糖が増えています。ですから、焦げないよう温度×時間を加減するのです。

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不思議なのは、揚げ物をすると普通はいくらか焦げが生じますよね。でも、市販のポテトチップスには焦げているものが余りありません。 当然イモの品質からはじまって、揚げ温度や時間を調整することで焦げを極力防ぐよう努力されているのでしょうが、それだけ徹底していても、まだ焦げるものなのですか?

近藤

(じゃがいもには糖分が含まれるので)もちろん焦げますよ。焦げの原因は糖なので、糖が高ければ高いほど焦げます。砂糖やしょう油が焦げやすいのと一緒です。 じゃがいもは収穫したときが最も糖が低くて、その後、低温で貯蔵することで糖度が次第に上がっていきます。とはいえ、低温で貯蔵しないと今度は芽がどんどん伸びてきてしまうので・・・。 ちなみに、ポテトチップスの原料には、特別に糖が低い品種を栽培して使っています。ポテトチップスには最適ですが、糖が低いので生食用として食べると非常に淡白な味わいなんです。

菊地

じゃがいもに糖が含まれる以上、焦げは多少なりとも出てしまいますが、フライした後に人的なチェックと、画像処理によるピッキング作業のダブルチェックで焦げのあるチップスはきれいに取り除かれます。ですから、市販されているポテトチップスには焦げているチップスが混在しないのです。

フレーバーについての疑問

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1年間に何種類のフレーバーが発売されているのですか?店頭には絶えず新製品が出ていますよね。

近藤

だいたい年間2~30種類は出ますね。そして、売れようが売れまいが全て一定期間で終売にします。のり塩やコンソメのような定番商品は別として、わずか5週で販売中止になるフレーバーもありますよ。さっき申し上げた定番商品でも数年に一度、味つけのリニューアルを行っていますし。

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ロングセラーといえども変わらない味で売れ続けられるわけではないのですね。それにしても、毎年それだけの数の新フレーバーを開発できるのがすごい。

菊地

そのためにポテトチップス専用の味の開発部隊がいて、シーズニングメーカーさんと一緒に、日々新しいフレーバーの開発に取り組んでいます。

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そもそも、それほど頻繁に新商品を出す必要があるのですか?売れているのにあえて廃盤にして新製品に替えるのは、あまり効率的ではないような・・・

菊地

店頭を活性化するためには、新製品をどんどん出していくことが必要なのです。我々メーカーにしてみれば大変な労力とコストがかかることですが、それによってメーカーの味に対する開発力が格段に進歩したのも事実です。お客様の細かいニーズに応えるために、少品種×多ロット生産から、多品種×小ロット生産に移行するスキルがだんだん養われてきたのだと思います。

内容量はどれも同じ??

菊地

味付けをした後、今度は「計量」という工程があります。袋の中に加工後のポテトチップスを入れる作業ですが、この計量器の精度は非常に高く、あらかじめセットしたグラム数にしたがい、マイナス計量は計量せず、必ずプラス計量になるように動作します。中身が表示より多いことはあっても、少ないことは決してありません。

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そうやってポテトチップを詰めたあと、次に包装工程に移るわけですよね。1分間に何袋位を包装しているのですか?

菊地

ポテトチップスの場合、形が不揃いのために高速回転にするとパッケージの横シール部分がチップスを噛んでしまうため、1分間に90袋位が限界です。キャラメルのように固い物であればもっと高速で包装できますよ。

商品改良はなぜ必要?

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先ほど定番商品でも数年ごとにリニューアルされているというお話がありましたが、具体的にはどういうタイミングで、どのような改良をされているのですか?

菊地

売上が下がってきたな、と思ったらリニューアルします。ほとんどは味付け(ブレンド)とパッケージの見直しです。「かっぱえびせん」も「コンソメパンチ」もお客様の気付かないところで実は細かいリニューアルを繰り返しているのですよ。

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どれも長年親しんできた味で、リニューアルされていたとは思いもよりませんでしたが、消費者を飽きさせないための工夫がされていたのですね。ただ、これだけロングセラーを保っている商品をリニューアルする必要があるのでしょうか?

菊地

食品に限らず全ての消費材に言えることですが、現状のお客様をつなぎとめるために商品改良は絶対に必要なことです。ロングセラー商品ほど、企業が莫大なマーケティング予算を投入してロングセラーを保っているのですよ。定番商品はいわば企業の屋台骨。定番商品のリニューアルを手がける場合は特に気を使います。競合メーカーとの差別化を図りつつ、カルビー色も失わず、幅広いお客様に満足していただけるマスアイテムでなければならないので、定番商品のリニューアルを担当するスタッフは、大きなプレッシャーを感じながら、より良い商品を提供できるよう取り組んでいます。

編集後記

じゃがいもの皮をむき、スライスして油で揚げる・・・そんなシンプルな食品であるポテトチップスだからこそ、原料~製造までに様々なノウハウが秘められていたのですネ。原料生産(産地&農家)と調達&貯蔵(カルビーポテト)、そして加工&販売(カルビー)が三位一体となって品質改良に取り組んでいたとは知りませんでした。とても興味深いレポート、有難うございました。

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