イスタンブール=春日芳晃、アンカラ=渡辺淳基
2015年11月2日08時48分
トルコ総選挙(一院制、定数550)は1日、投開票が行われた。アナトリア通信によると、与党・公正発展党(AKP)が316議席を確保し、圧勝した。6月の前回総選挙後、トルコではテロが相次ぎ、クルド系非合法武装組織との和平交渉も破綻(はたん)。社会不安が高まる中、有権者は安定を求め、AKP単独政権に再びかじ取りを委ねた。
アナトリア通信の集計によると、開票率99・58%で、イスラムの伝統を重視する与党AKPは58増の316議席。野党勢力は世俗派の共和人民党(CHP)が3増の134議席▽少数民族クルド系の人民民主主義党(HDP)が21減の59議席▽トルコ民族主義を掲げる極右の民族主義者行動党(MHP)が38減の41議席。投票率は85・46%。
AKP党首のダウトオール首相は1日夜、地元の中部コンヤで「この勝利は国民の勝利だ。今日はトルコの民主主義の勝利の日だ」と勝利宣言をした。その後、首都アンカラの党本部でも演説し、数千人の支持者を前に、テロ対策の強化など国の安定を最優先に進める考えを強調した。
前回総選挙で初めて政党として立候補し、80議席を獲得したクルド系のHDPは、政党が国会で議席を持つために必要な全国平均得票率10%を今回も上回り、第3党の座を維持した。
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朝日新聞国際報道部
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