白昼の凶悪指名手配犯捕物劇、通りすがりの市民も加勢

女性殺害で指名手配、キム・イルゴン容疑者
動物病院で安楽死薬を要求

白昼の凶悪指名手配犯捕物劇、通りすがりの市民も加勢

 女性を殺害し、遺体を車のトランクに詰めて火を放ったとして指名手配されていたキム・イルゴン容疑者(48)が17日、事件から1週間にして身柄を拘束された。

 犯行後、行方をくらませていたキム容疑者はこの日午前、ソウル市城東区の動物病院で刃物を手にして職員らを脅迫し、逃走しようとしたところ、職員の通報で出動した警察に取り押さえられた。片手に長さ28センチほどの包丁を持っていたほか、腹巻きにさらに包丁1本を刺し、ポケットにカッターナイフ1本を入れていたという。城東警察署に移送されたキム容疑者は、報道陣に向かい「何も間違っていない、俺は!」「俺は生き続けなくちゃいけない!」などと叫んだ。

 この動物病院は女性の遺体が見つかった現場から4キロほど離れた場所にある。キム容疑者は午前9時ごろ同病院を訪れ「飼い犬が病気だが、安楽死させられるか。安楽死用の薬がほしい」と要求した。院長が「安楽死の薬は扱っていない」と答えると「自宅に来て犬の様子を見てもらえるか。犬を飼うのに1000万ウォン(約100万円)もかかった」などと支離滅裂なことを言いながら、2時間近く病院を出たり入ったりしたという。

 午前10時50分ごろ、キム容疑者は不意に診察室にいた院長と看護師の方に近づき、長さ28センチほどの包丁を突きつけた。驚いた院長と看護師は診察室の裏手のトリミング室に逃げ込み、ドアに鍵をかけた。看護師は「キム容疑者は『警察に通報しているのは知っている。早くドアを開けろ』と脅しながらドアをたたいた。院長と私、トリマーの3人はドアの取っ手をつかんでぶるぶる震えていた」と証言した。この看護師が携帯電話で通報し、警察が出動した。

 ドアを開けさせることに失敗したキム容疑者は病院から逃げ出したが、600メートルほど離れた場所で聖水地区隊(交番に相当)所属の警察官に身柄を確保された。身分証を確認しようとした警察に包丁を振り回して抵抗したキム容疑者を、警察官2人が取り押さえた。また、通行人2人も包丁を握りしめたキム容疑者の手を足で踏みつけ、刃物を取り上げるのに協力した。キム容疑者は犬を飼っておらず、警察は安楽死の薬を手に入れようとした目的を調べている。

ムン・ヒョンウン記者 , イ・ミンソク記者
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