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EU 難民16万人受け入れを各国に提案へ
9月5日 6時27分

シリアなどの紛争地を逃れてヨーロッパを目指す難民が急増している事態を受けてEU=ヨーロッパ連合は域内で受け入れる数を大幅に増やし合わせて16万人とすることを各国に提案する方針を固めました。ただ、一部の国は否定的で、協議は難航することが予想されます。
ヨーロッパではシリアなど中東の紛争地や貧困に苦しむアフリカの国々から多くの難民や移民が押し寄せていてIOM=国際移住機関によりますと、ことしはすでに36万人が流入しています。
EUはことし5月、地中海を経由してイタリアとギリシャに到着した難民のうちシリアとエリトリアの出身者、合わせて4万人を各国で分担して受け入れる措置を決めました。しかし、その後トルコを経由してハンガリーなどにも大勢が押し寄せており、渡航途中で死者も相次ぐなど事態は深刻さを増しています。
EUの執行機関にあたるヨーロッパ委員会の報道官は4日、イタリア、ギリシャに加えハンガリーに到着した難民について、域内で受け入れる数を現在の計画の4倍の16万人に増やす案を各国に提示する方針を固めたことを明らかにしました。
難民への対応策を巡っては、ドイツやイタリア、フランスが加盟国すべてが公平に受け入れを分担すべきだと主張する一方、ポーランドなど東ヨーロッパの国々は経済的な負担が大きいなどとして否定的な姿勢を示しています。
EUは今月14日に緊急の内相会議を開きますが、この提案を巡って協議は難航することが予想されます。

英はEUの方針に否定的

ヨーロッパ各国に押し寄せている難民や移民を各国が分担して受け入れるというEUの方針について、イギリスのキャメロン首相は「適切な対応とは思えない。危険な渡航をさらに促すことになるからだ」と述べ、否定的な考えを示しました。
そのうえでイギリスとしては、EUの案に代わって、難民キャンプで暮らすシリア難民を新たに数千人受け入れ、イギリスへの渡航にはより安全なルートを提供する方針を明らかにしました。
さらにシリアにとどまったりトルコなど周辺国に逃れたりしているシリア難民に対し、1億ポンド、およそ180億円の追加の人道支援を行うことも表明しました。

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