ギリシャが金融支援と引き換えに「降伏」に追い込まれたようです。
1997年の通貨危機時に、IMFが韓国に強要した新自由主義的「改革」を想起させる内容です。*1
"What they are trying to do in Greece is launch a financial coup d'Etat and convert it into a protectorate,"
先週にはピケティやサックス等経済学者が連名で、緊縮財政はギリシャ経済を回復させるのではなく、悪化させているという内容のメルケル独首相宛ての公開書簡を出していましたが、完全に無視されたようです。*2
The never-ending austerity that Europe is force-feeding the Greek people is simply not working. Now Greece has loudly said no more.
As most of the world knew it would, the financial demands made by Europe have crushed the Greek economy, led to mass unemployment, a collapse of the banking system, made the external debt crisis far worse, with the debt problem escalating to an unpayable 175 percent of GDP. The economy now lies broken with tax receipts nose-diving, output and employment depressed, and businesses starved of capital.
ギリシャ経済の惨状ですが、実質GDPはピークから1/4強減少し、回復の兆しが見えていません。
物価はデフレ（internal devaluation）に陥っています。
労働力人口の4人に1人、若者の2人に1人は失業しています。
数字的には1930年代のアメリカの大恐慌よりも深刻ですが、「ドイツ帝国」と化したヨーロッパでは、下層のギリシャ人の声はドイツ人には届かなくなっているようです。
「ドイツ帝国」が世界を破滅させる 日本人への警告 (文春新書)
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ヨーロッパ、あるいはドイツ帝国が「支配者たちのデモクラシー」の一般的な形を取り始めていて、その中心には、支配者たち専用のドイツ・デモクラシーがあり、そのまわりに、多かれ少なかれ支配されていて、その投票行動には何らの重要性もないような、諸国民のヒエラルキーが形成されている。
このところ輪郭を現してきたヨーロッパ像においては、ドイツ人たちを人種差別時代のアメリカにおける白人たちのように見ることができるだろう。
北欧人はドイツ人よりもギリシャに厳しいという調査結果もあります。
なお、トッドは調査対象の国々を次のように分類しています。「家来」のほうが主人（ドイツ）よりも過激化するということでしょうか。*3
「ドイツの苛酷な支配」が続けば、レジスタンス運動も活発化しそうです。ヨーロッパ統合の理想の成れの果てです。
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