自分なんかは割とよく、会話の中でトラウマという言葉を使う
実際、細かな棘が心に刺さってるレベルのものでこの言葉を使っていた
だが、本当の意味でのトラウマを持っている人を見てしまった
何がスイッチだったのか、今でもよく分からない
それまでは普通に話していた三十を過ぎた人間が、
恥だの外聞だの知ったことではないというレベルで顔をくしゃくしゃにして泣き喚いた
なだめながら話を聞くと、昔、職場で吊し上げを喰らったらしい
かなり陰湿なもので、囲まれた状態で肩を突かれたり死ねとかいう暴言も混ざっていたという
だがよく聞いてみると、それはもう10年以上も前のことだそうだ
その会社そのものも、既にもうないという
吊し上げに参加していた人間もバラバラになっており、
おそらく、彼女らはもう記憶すらしていないのだろうが、
それでも本人には忘れられないのだそうだ
過去に囚われたままって、辛いな
