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2015-05-27

2010年から現在までのFIFA汚職報道まとめ 2010年から現在までのFIFA汚職報道まとめを含むブックマーク

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この件に関連して、ここ5年ほどの間に報じられたFIFA汚職疑惑について時系列順にざっくりとまとめておきます。抜け漏れに関してはご容赦を。

疑惑が報じられたFIFAの関係者は黒い太字、さらに今回逮捕された人物は赤い太字にしてありますので人物相関図をつくる際にでもお役立てください。なお、役職については当時のもので現在は変わっている人も多いです。

ちなみに現在報じられている疑惑は主に以下の3つです。

【2010年:英国メディアによる報道

  • 12月:2018年と22年の開催地を決める投票が行われ、18年大会はロシア、22年大会はカタールで開催されることが決定。当初“18年大会の最有力”と見られていたイングランドは全投票数22票のうち獲得できたのが2票のみ(うち1票は自国のもの)という完敗を喫する。以降『サンデー・タイムズ』をはじめとするイギリスのメディアは今回の投票を巡る不正疑惑を厳しく追求していくこととなる。

2011年:疑惑の追求と会長選挙の混乱】

  • 5月:英国下院の文化・メディア・スポーツ委員会が辞任したトリーズマン氏を証人として召喚。トリーズマン氏はジャック・ワーナーから出身国での学校建設費やハイチにおける放映権購入費を求められたこと、さらにニコラス・レオス氏からは爵位の要求、ウォラウィ・マクディ氏(タイサッカー協会会長)からはイングランドとタイの間で行われる親善試合のテレビ放映権を譲渡するよう要求があったことも明らかにした。また、リカルドテイシェイラからは見返りの内容を明確にするよう求められたことも証言した。証言の模様はTVで生中継されたほか多数のメディアで報じられた。
  • 委員会はさらに『サンデー・タイムズ』にも不正疑惑に関する調査文章を提出するように求めており、その中で同紙はイッサ・ハヤトウ氏ジャック・アヌマ氏(コートジボアールサッカー協会会長)の2名がカタールからそれぞれ150万ドルを受け取っていたとする証言や、ジェローム・バルク事務局長による“カタールは金でW杯を買った”という旨の私的メールがあることなどを明らかにした。

【2012年:スイス検察による捜査文書の公開】

  • 同月:汚職疑惑が続いていることを受け、FIFAは倫理委員会の調査局長に元インターポールのマイケル・J・ガルシア氏を任命。調査における全権と独立権を認めるとともに、W杯開催地決定を巡る疑惑を徹底的に解明するとした。

【2013年:カタールゲート】

  • 9月:イギリスの高級紙『ガーディアン』がカタールにおける建設作業員の過酷な労働状況について報じる。同紙は主にネパールからの移民が作業にあたっているとし、酷い時には50度近くに達する酷暑のなかで水や食べ物もほとんど与えられないまま僅かな賃金で奴隷のように働かせられていると報告。これを受けて各国の人権団体が是正を求める声明を発表したほか、カタール側も実態を詳しく調べて必要であれば改善すると応じた。

2014年:さらなる疑惑とガルシア・レポート】

  • 3月:イギリスの高級紙『デイリー・テレグラフ』が、ジャック・ワーナーとその家族がモハマド・ビン・ハマム氏の経営する会社から約200万ドルを受け取っていたと報じる。
  • 6月:サンデー・タイムズ』が、モハマド・ビン・ハマム氏がアフリカ諸国のFIFA理事や各国のサッカー協会幹部に対して総額500万ドル以上の賄賂を支払っていたと報じる。賄賂は自身の設立した企業の基金を通じて30人以上のサッカー関係者に支払われたとされる。さらに同紙は、ハマム氏がウォラウィ・マクディ氏を通じてカタールとタイの間で閣僚級会談をセッティングし票の見返りに天然ガスを非常に低い価格で購入できるよう便宜を図った疑惑や、鄭夢準副会長(大韓サッカー協会名誉会長)が自身の役職の保証と引き換えにハマム氏に協力していた疑惑なども報じた。また、これらの報道を受けてソニーアディダスなど主要スポンサー各社がFIFAに対して適切な調査を要求するなど異例の事態に発展する。
  • 9月:FIFA倫理委員会調査部門のマイケル・J・ガルシア氏が、不正疑惑に関する調査の終了と350ページの報告書(通称“ガルシア・レポート”)をまとめて裁定部門に提出したことを発表。報告書はおよそ1年間にわたる75人以上の関係者への聞き取りとインタビューの録音記録などおよそ20万ページ分の資料を基に作成された。
  • 11月:FIFAは“ガルシア・レポート”を抜粋した42ページの資料を発表。それによりロシアとカタールW杯招致に関する不正疑惑は晴れたと結論付け、開催地決定の再投票は行わないとした。
  • 12月:FIFAの発表に対して、ガルシア氏が「レポートの内容が歪曲して伝えられている」として異議申立てを行うもFIFA上訴委員会はこれを却下。これを受けてガルシア氏は調査局長を辞任した。

2015年:冬季開催決定、そして捜査へ】

  • 3月:FIFA2022年カタール大会の開催時期を変更し11月〜12月の冬季に行うと発表。大会期間も短縮され、決勝は12月18日に行うとされた。
  • 5月:27日、米司法省FIFAの副会長ら14人を贈収賄などの容疑で起訴したと発表。これを受けてスイスの司法当局は総会のためFIFA本部のあるチューリッヒに滞在していた関係者を逮捕した。さらにスイス当局は18年のロシア大会と22年のカタール大会の開催地決定についても不正行為が行われた疑いがあるとして独自捜査を開始していたことを発表。3月10日に正式な捜査を開始したとし、FIFA本部を家宅捜索して関係書類やデータを押収した。

ざっとこんな感じです。まとめてて自分でも嫌になりました。FIFA真っ黒すぎぃ!ってか来月の女子W杯とか大丈夫なんでしょうか。。。

あと過去の報道を見る限り、カタールが行った不正の捜査に関してはモハマド・ビン・ハマム元アジアサッカー連盟会長がキーマンになりそうですね。

ちなみに上のまとめで会長選における不正を告発した北中米カリブ海サッカー連盟のチャールズ・ブレイザー氏ですが、報道によれば今回の捜査にも協力していたとのことです。ただこのブレイザー氏、捜査に協力することになったのは10年に渡る所得税未納がバレてFBIから強要されたからだったうえ、彼自身も横領の疑いで2013年にFIFAから活動停止処分を受けてるんですよね……本当にクズばっかりや……

なお汚職を含めたFIFAの様々な問題については、イギリス人コメディアンのジョン・オリバーさんが皮肉たっぷりにまとめてくれてますので気になる人はこちらの動画も御覧ください。

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