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 網走刑務所(北海道網走市)前の売店で、受刑者が育てている黒毛和牛「網走監獄和牛」の販売が始まった。全国の刑務所で牛を飼育するのは網走だけで、日本食肉格付協会の定める等級で最高ランク「A5」を獲得する牛も生産している。

 育てているのは、網走刑務所受刑者の牧畜班6人。刑務所から約7キロ離れた刑務所用地の「二見ケ岡農場」にある宿泊施設に住み込み、農場の4割を占める約150ヘクタールの牧草地を利用して100頭余りを飼育している。出荷するのは、約30カ月飼育した牛だ。

 農場には塀がないため、牧畜班は仮出所が近い人たち。「命を育てることが更生につながれば」との期待もある。飼育は全員素人だが、専門の職員が指導し、昨年は出荷した21頭中8頭の枝肉がA5の評価を得た。