東京新聞のニュースサイトです。ナビゲーションリンクをとばして、ページの本文へ移動します。

トップ > 社会 > 紙面から一覧 > 記事

ここから本文

【社会】

『精神鑑定意見 尊重を』 傷害致死で最高裁 審理差し戻し

2008年4月26日 朝刊

 精神鑑定で統合失調症による心神喪失と鑑定された傷害致死事件の被告の刑事責任能力が争われた訴訟の上告審判決で、最高裁第二小法廷(古田佑紀裁判長)は二十五日、「精神医学の専門家の意見は、公正さや能力に問題があるなどの事情がない限り、十分に尊重すべきだ」との初判断を示した。

 その上で、心神耗弱だったとして懲役三年の実刑とした二審判決を破棄、審理を東京高裁に差し戻した。

 争われていたのは、二〇〇三年六月、東京都北区で、被告の男(39)が、統合失調症による幻視や幻覚で「ばかにされた」と思い込み、塗装店の経営者=当時(62)=を殴って死亡させた事件。検察側の簡易鑑定では「心神耗弱」とされたが、刑事裁判の弁護側と検察側の正式鑑定で、いずれも「心神喪失」と診断された。

 判決で古田裁判長は「刑事責任能力は、最終的に裁判所が判断する」とした上で、「犯行時は病気の強い影響を受けていた」という鑑定結果を否定するには、二審判決は根拠が不十分だと判断。刑事責任能力の有無を再検討すべきだとした。

 一審判決は、鑑定結果を踏まえて心神喪失により無罪としたが、二審判決は、被告が正常に社会生活を送っていた部分を重視して心神耗弱により懲役三年の逆転有罪としていた。

 

この記事を印刷する