女性研究者支援に補助、1大学に年間5000万円…出産・子育と両立できる環境整備し研究力底上げ
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文部科学省は来年度、若手女性研究者を支援する新制度を設ける方針を固めた。事務作業や実験など膨大な業務の一部を組織全体で支える仕組みを導入した大学に、年間最大5000万円程度の補助金を交付する。出産や子育てなどと研究を両立できる環境を整えることで、諸外国よりも少ない女性研究者を育成し、研究力の底上げにつなげる。
関係者によると、新制度は全国の国公私立大から公募で選んだ10~15校が対象となる。補助金を最大5年間交付し、十数億円規模の関連費を来年度概算要求に盛り込む方向で調整する。
総務省の調査では、企業も含む研究者の女性割合は米仏が30%超(2023年時点)で、日本は19%(25年時点)だった。背景には研究者の多忙さがある。
特に大学教員は、研究以外に学生指導や事務作業、実験機器の管理なども仕事に抱える。女性の場合、出産や子育て、介護などのライフイベントと両立できず、休職や離職する例も多い。こうした現状は研究の多様性を損ない、研究力の低下につながりかねない。
そこで新制度は、若手女性研究者への組織ぐるみの支援体制の導入を大学に促す。文科省は具体例として、〈1〉実験補助員の雇用〈2〉事務作業の外部発注〈3〉研究を効率化する機器の購入――などを通じた負担軽減策を想定する。業務時間が限られても、独自性の高い自身の研究に注力してもらう。
政府が7月に閣議決定した「日本成長戦略」では、「若手女性研究者がライフイベントがある中でも活躍できるよう研究環境の整備を推進する」との目標が盛り込まれた。今回の支援も、その一環として進める。
文科省によると、日本の大学教員は特に理工系の女性が少なく、女性割合は22年度、理学系11%、工学系8%だった。工学系の職位別の女性割合は助教14%、講師14%、准教授9%、教授4%で上位職ほど低い。
政府はこれまで、上位職の女性登用を推進する大学を支援してきたが、そもそもキャリアを継続できない人が多く、十分な成果が出ていない。文科省幹部は「新制度で若手も実績を積める環境を整え、将来のリーダーとして活躍する人材を輩出したい」と話す。