静岡県森町は県外に住む町出身の学生を対象に、地元特産の農産物を無償で届ける定期便を続けている。本年度で7年目を迎え、毎年スイートコーンを皮切りに、米やメロンなどを延べ600人以上に届けてきた。町定住推進課は「全国でも珍しい取り組みではないか」とみる。
定期便は、新型コロナウイルス禍で帰省しづらい学生に町産の農産物を食べてもらうため、国の補助事業を使って始まった取り組みだ。森町が管内のJA遠州中央などが農産物の確保に協力する。
町やJAの職員が6月中旬の2日間、当日の朝に取れたスイートコーン「甘々娘」の発送作業に対応。本年度は北海道や関東、関西などから80人ほどが応募し、6月は1人につき「甘々娘」6本と茶関連商品を届けた。
JAの戸塚喜之・森営農センター長は「今年は糖度20以上のものも多くある。食べた学生が農産物の宣伝マンになってくれるのが一番だ」と期待する。
町では約40人が約70ヘクタールでスイートコーンを栽培し、「森のとうもろこし」としてブランド化する動きも見られる。発送した「甘々娘」の生産者の一人、坂中章則さん(58)は「町の味を懐かしんでもらい、少しでも故郷を思い出してくれたらうれしい」と話す。
同課によると、学生が友人と町を訪れた際に直売所で農産物を購入するなど、定期便が消費拡大にもつながっている。本年度は100人に達するまで申請を受け付け、今後は地域ブランド米「究極のコシヒカリ」や、「クラウンメロン」などを届ける計画という。
(岸康佑)
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