佐賀県伊万里市の強盗殺人事件、1年経過もベトナム国籍被告の初公判行われず…被害者知人ら「早く明らかに」
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佐賀県伊万里市の民家で母娘2人が男に襲われて死傷した事件から26日で1年となる。強盗殺人罪などで起訴されたベトナム国籍の被告(25)の初公判は行われておらず、被害者の知人らからは「事件の背景が早く明らかになってほしい」との声が聞かれる。(近縄志季)
事件は昨年7月26日午後4時20分頃、同市東山代町長浜で発生。起訴状などによると、被告は日本語講師の女性(当時40歳)と母親を脅して1万1000円を奪い、2人を切りつけて女性を殺害し、母親にけがをさせたとされる。
県警によると、被告は逮捕当初、雑談に応じたが、事件については「話したくない」と述べていたという。佐賀地検は昨年8月、強盗殺人や住居侵入など四つの罪で起訴。被告は県内の刑事施設で勾留されている。
女性は中国江西省の景徳鎮陶磁大学で日本語講師を務めており、一時帰国中に事件に巻き込まれた。県内の飲食店で8年ほど前に知り合い、交流してきたという30歳代の男性は「すごく社交的な性格だった。事件を知ったときはショックしかなかった」と振り返る。通夜に参列した際、知人らと女性との楽しい思い出をずっと語り合ったといい、「(被告が)なぜ事件を起こしたのか早く明らかになってほしい」と語る。
技能実習生として来日した被告は当時、食品加工工場に勤務し、女性方から約50メートル離れた寮で暮らしていた。近隣住民によると、寮の建物は昨秋に取り壊されたという。事件当日、負傷した母親を救護した人(72)は「1年はあっという間だったように感じる」と語る。
伊万里市の在留外国人は1月1日現在、人口の約2%にあたる937人。市などによると、就労目的の滞在者が大半で造船業や建設業などで働いている。
同市で技能実習生らを対象とした日本語教室の運営者(67)は、事件後に「外国人と地域住民が互いに分かり合うべきだ」と考える人が増えたと感じている。「事件と普通に暮らしている外国人とは切り離すべきだ。教室を通して相互理解が進むよう努めたい」と話す。