千葉県立中央博物館、県民の85%超「利用したことない」うち7割は存在すら知らず…館長「率直に言ってショック」
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千葉県立中央博物館(千葉市中央区)を利用したことがない県民は85・7%――。県が行った世論調査で実態が浮き彫りとなった。うち7割は存在自体を「知らない」と答え、関係者はショックを隠せない様子だ。同館は、2028年度の年間入館者数を23年度比約1・5倍の14万6000人に増やすことを目指しており、知名度不足の克服が課題となっている。(淵上隆悠)
県が5月に結果を公表した「県政に関する世論調査」でわかった。毎年度、原則2回のペースで行っており、今回は25年11月18日~12月12日に県内の18歳以上の男女3000人を対象に郵送などで実施し、58・6%にあたる1759人が回答した。主要計画の策定や見直しなどの基礎資料とするために聞く「県政の主要課題」の調査項目の一つとして、初めて同館の利用状況などを尋ねた。
同館を「利用したことがある」と答えた人は13・9%で、「ない」の85・7%を大きく下回った。「ない」と答えた1508人に理由を複数回答で聞いたところ、69・9%が「(同館を)知らなかったため」を選んだ。次に多かった「交通が不便なため」(15・8%)や「展示内容に興味がないため」(14・8%)と比べて突出していた。
県民に十分知られていない現状が明らかになったことについて、熊谷知事は6月4日の記者会見で「重く受け止めなければならない」と語った。同館の四柳隆館長(59)も、「率直に言ってショックだ。館の魅力が十分に伝わっていない」と肩を落とす。
1989年に開館した同館は、県の自然と歴史を学べる総合博物館。「房総の自然と人間」がテーマの常設展示では「房総の自然誌」「房総の歴史」「自然と人間のかかわり」の三つの主要な展示室があり、印旛沼付近で化石が見つかったナウマンゾウの骨格標本や、鴨川市の岩礁を再現したジオラマなどが見所だ。展示や収蔵庫で保存している資料は計100万点を超え、生物学や人文科学などに精通した研究職員は50人を超える。
市原市にある、地層が地球の磁気の向きと南北逆になった「地磁気逆転地層」が根拠となって2020年に命名された地質学上の一時代「チバニアン(千葉の時代)」にスポットを当てた特別展を行ったほか、県ゆかりの妖怪をテーマにしたシンポジウムなど趣向を凝らした企画も展開してきた。6・6ヘクタールの敷地に房総の代表的な森林や草地が再現され、生き物が自然の中でどう暮らしているかを知ることができる「生態園」があるのも特色だ。
県は24年3月に同館のリニューアルを見据えた基本計画「千葉県立中央博物館みらい計画」を策定。25年3月には4か年の実施計画もまとめ、23年度に9万6381人だった入館者数を14万6000人にする目標を立てた。
その達成に向け、同館は昨年4月、X(旧ツイッター)に加え、インスタグラムでの情報発信を始めた。夏には国立歴史民俗博物館(千葉県佐倉市)と初めてスタンプラリー企画も行った。今後も外部のイベントに参加するほか、校外学習で利用してもらうために学校への働きかけを強める考えで、四柳館長は「試しに一度足を運んでもらいたい。きっと興味がわく展示に出会えるはずだ」と力を込める。
入館料は、企画展などの開催状況で異なるが、一般300~800円、高校・大学生は150~400円。中学生以下と65歳以上は無料。月曜休館。問い合わせは同館(043・265・3111)へ。