「自主夜間中学」開校、元教員や会社員ら「勉強したいと思った時に応援できる場が必要」…国籍不問、ニーズに対応
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島根県出雲市内の元教員や会社員ら有志でつくるグループが7月4日、市隣保館(上塩冶町)で「いずも自主夜間中学」を開校する。不登校や戦争などで十分な教育の機会を得られなかった人や、外国籍の人らを学習面でサポートする。同様の取り組みは、県内では大田市に続いて2例目という。(佐藤祐理)
グループは「いずも夜間中学をつくる会」で、20~80歳代のスタッフ25人が所属する。ともに元中学校理科教諭で代表の新田正吉さん(67)、副代表の吾郷聡さん(63)が中心になり、準備を進めていた。
出雲市内には約5500人の外国人が暮らし、ブラジルなど外国ルーツの子どもたちも多い。2人は現職時代、言葉でつまずく生徒や、不登校で十分に学習する機会がない生徒に接してきた。保護者から相談を受けることもあったが、行政だけの支援では限界も感じていたという。
2人は2023年、自主運営としては県内で初めて開校した大田市の「おおだ夜間中学」で、スタッフを務めた。様々な事情で十分に勉強できなかった10~80歳代の14人が机に向き合う姿を目の当たりにし、「本人が勉強したいと思った時に学び直しをしながら応援できる場所が必要だ」と考えたという。
さらに、出雲市内でもボランティア団体の学習支援で、高校合格を果たす外国籍の生徒の姿にも接した。市内でも自主夜間中学の必要性を強く感じ、25年から関心を寄せる有志と7回の設立準備会を重ねた。
幅広いニーズに対応できるように、小学1年~中学3年の教科書やドリルを用意。どの教科を学ぶかは本人との面談を通じて決める。資格取得や進学など将来に関する相談や、面接練習にも対応する。
新田さんは「生活に困っている人やしんどい思いをしている人に学びは生きることにつながることを伝えたい」。吾郷さんも「学び直しをしたいと思った方の支えになるような存在になれれば」と話している。
授業は原則、毎月第1~3土曜の午後6時~7時40分で、1コマ45分を2コマ分行う。入学金や授業料は無料で、校外学習の際は実費が必要。出雲市内に居住、勤務する小学校卒業以降の人が対象で、国籍は問わない。7月4日午後2時から開校式が開かれ、学習に関する概要説明やスタッフ紹介などがある。
問い合わせは、いずも夜間中学をつくる会事務局(070・3601・1301)か、電子メール(izumoyachu@gmail.com)。
◆夜間中学= 文部科学省によると、夜間中学は様々な理由で義務教育を受けられなかった人らを対象に、週5日間、授業が行われる。全課程を修了すると中学校卒業となる。今年4月現在、公立や私立の夜間中学は全国に69校ある。ボランティアなどが運営する自主夜間中学は生涯学習などに位置付けられる。2020年の国勢調査では、島根県内で最終学歴が小学校卒の人は7559人だった。