【特集】帰国生受け入れ校として模索する新しい時代の教育…同志社国際
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同志社国際中学校・高等学校(京都府京田辺市)で今年度、新しい校長に西田喜久夫教頭が就任した。西田校長は、「帰国生徒受け入れ専門校」という位置付けを崩さず、さまざまな背景を持つ帰国生と一般生が、ともにのびのび学べる環境を継続する一方、高大連携の深化や海外大学進学のサポートなど新たな取り組みも進めている。来年の創立45周年、さらにその先に向けた学校構想などを西田校長に聞いた。
いろいろな解釈ができる国語の楽しさに引かれる
西田校長は、同志社香里中学・高校を卒業して同志社大学文学部、同大大学院研究科博士課程前期へと進んだ。院在籍中に同志社国際中学・高校の国語科の非常勤講師を勤め、前期課程を修了した1989年から国語科教員になる。コミュニケーションセンター、入試センターなどの主任を担当し、教頭職を経て今年度校長に。
――まず、経歴について自己紹介してください。
高校時代に、将来は教職に就きたいと考えていました。数学が得意科目だったので工学部に進学し、数学や物理の教員になる選択肢もあったのですが、高校の国語の授業中に先生と文章の解釈の違いで議論した経験がとても楽しく、この体験から、一つの正解を生徒に教える教科でなく、いろいろな解釈ができる教科が楽しいと思い国文科への進学を決めました。
本校に勤務して、まず授業以外に担当したのが図書館の仕事です。1997年にはコミュニケーションセンターが完成し、この仕事も担当しました。MIT(マサチューセッツ工科大学)で学んだ外国人教諭が中心となって具体化した施設で、図書館機能をベースにコンピューターなどの情報機器をそろえ、グループ学習やプレゼンテーションのスペースも設けました。非常に先進的な施設でしたから全国から視察に訪れる人が絶えませんでした。
さまざまな部署を担当したのですが、校長になる前の5年間は、教頭としてコロナ禍に対応し、前例のない状況で、校長と共に学校のこれからの動きを学ばせていただいた時期でした。
異なる背景を持った生徒たちが輝ける学校に
――校長に就任して、あらためて大切にしていきたいことはなんですか。
本校は、開校時に文部省(現・文部科学省)から「帰国生徒受け入れ専門校」の指定を受けた京都で唯一の「帰国子女の受け入れを主たる目的として設置された学校」です。帰国生のための専門校という性格は、開校以来変わりありませんし、今後も変わることはありません。
帰国生の中には、みなさんが想像されるような、英語を
「この学校にいると誰も帰国生を特別だと思っていない。日本で過ごした子と自分とは何が違うのだろうと考える必要がなく、気が楽」と、多くの帰国生が言います。一般生も、帰国生と一緒に学ぶ学校と知って、望んで入学してくるので、帰国生がいる環境を自然のこととして受け入れています。
生活面だけでなく学習面でもさまざまな配慮をしています。たとえば、ネイティブのように話せる生徒もいるので英語の授業は、中学で6段階、高校で4段階に分けて実施しています。また、帰国生を対象に、習熟していない分野をフォローすることもしています。
同志社を創立した新島襄は「諸君よ、人一人は大切なり」という言葉を残していますが、生徒一人一人を見ていくことが本校の基本です。
高大連携の深化と海外大進学のサポート
――学習面でこれから力をいれていきたいことはありますか。
同志社大学との高大連携を深めたい考えです。本校の生徒は約95%が同志社大学・同志社女子大学に進学しています。すでに、さまざまな学部の教授が高校生に向けて行う公開授業や、大学生向けの授業を高校生が受講できる仕組みがあります。
2022年度に同志社大学がスタートさせたDDASH(同志社データサイエンス・AI教育プログラム)は、高校生もオンラインで大学生と同じ内容を受講できます。昨年度は、本校の高校生2人が応募し、2人とも修了しました。また、本校はこの4月から文科省のDXハイスクール(高等学校DX加速化推進事業)採択校として、新しい学びを展開します。これからの時代は文系・理系にかかわらずデータを扱う能力が必要になってくると思うので、これらの学びを通して、生徒たちにそうした意識を持ってほしいと考えています。
また最近は、各国の大使館で留学を担当している方を本校に招き、教員と生徒に向け、海外大学の進学情報を聞かせていただく取り組みもしています。以前からイエール大学やニューヨーク大学などから個別の来校はあったのですが、海外大学進学に目を向ける生徒がたくさんいるので、よりトータルに情報提供できるようにと、工夫を重ねています。
ちなみに同志社大学には英語だけで授業を行う「The Institute for the Liberal Arts(国際教育インスティテュート)」というコースがありますから、英語力のある生徒は内部進学して、国内にいながら幅広い学際的教養を身に付け、国際社会に貢献できるコミュニケーション能力を培うことも可能です。
――受験を考える小学生と保護者にメッセージはありますか。
本校の中学入試は解禁以後の4日目に1回だけ実施しています。私が入試担当だった時に変更したもので、解禁初日、2日目、3日目は他の同志社付属校を受験できます。他校の合格をキープした上で、本校でどうしても学びたいという人に受験していただきたいという思いからです。帰国生の入試は、中1・高1の春に行うほか、中1から高2の各学年で編入試験も実施しています。入試内容の変更は充分な周知期間を置きますのでご安心いただきたい。
これまで新しい取り組みについて話してきましたが、本校がどのような学校か、もっとよく知っていただくためには、この学校で勉強したいという生徒、そしてこの学校に通わせ、学ばせたいという保護者の方々に来校してもらえることが一番大切です。特徴のある学校ですから、入学前に見ていただき、理解していただきたいですね。そのために広報にもっと力を入れていく必要を感じています。
2022年に、本校の新しい教育のあり方を総合的に考え、推進していく部署として「教育開発センター」を発足させました。2025年は同志社が創立150周年を迎え、本校は創立45周年となります。さらに50周年へと向かい、次の50年へと新しい時代の教育を模索し、これからも進化していきます。
(文・写真:水崎真智子 一部写真提供:同志社国際中学校・高等学校)
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