伊勢神宮で首相参拝前に爆竹破裂、1か月たっても犯人像不明…警察庁「必ず検挙を」
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岸田首相が、伊勢神宮(三重県伊勢市)を参拝する40分前に外宮の入り口付近で爆竹が破裂した事案から、4日で1か月。犯行予告などはなく、誰が何のために行ったのかは明らかになっていない。県警は、爆竹の販売ルートやドライブレコーダーの映像などを分析するなど捜査を続けている。
茂みから破裂音
「パンパン、パンパン」。1月4日午前11時40分頃、伊勢神宮外宮の入り口近くに破裂音が鳴り響いた。
周辺で警備していた警察官によると、音は約100メートル先でも聞こえるほどだったという。破裂した爆竹と正方形で薄型の片手サイズの装置が車寄せ付近の茂みから見つかった。周囲に不審な人物はおらず、アンテナのような部品も残されていたため、県警は、何者かが離れた場所から遠隔で着火装置を起動し爆竹を破裂させたとみて捜査を始めた。
昨年7月の安倍晋三・元首相の銃撃事件を受け、県警は要人警護の体制を強化していた。当日は、前年比で1割ほど多い警察官1100人を配置して、愛知県警から火薬をかぎ分ける「警備犬」も1頭借りて神宮周辺や駅を警戒。午前9時頃からは、外宮入り口周辺を検索したが、爆竹は発見できなかった。
警察庁は事態を重視
県警は「爆竹が鳴るのはよくある。いたずらだろう」と判断して、事案の発表は見送った。翌5日の県警本部の仕事始め式で、佐野朋毅本部長(当時)は首相参拝にも触れて、「組織一丸となって警備し、完遂した」と胸を張った。
爆竹の破裂は現場に居合わせた人らのツイッターなどで拡散した。事実を知った警察庁幹部は、「遠隔でやられたようだ。爆竹でよかったが、爆弾だったら怖い。脅威だ」と危機感を強めた。佐野本部長は、警察庁に2度足を運んで事案について報告。警察庁は「三重県警の失態」との見方を示し、必ず検挙するよう発破をかけたという。
捜査は難航
現場で回収された機器からは指紋が検出されたが、警察の持つデータベースでは該当者はなかった。
このため、県警は茂みの一部が映った防犯カメラ映像などを解析。県警本部から伊勢署に応援を派遣し、発生時に付近を走っていた車両のドライブレコーダー映像を回収するなどしているが、現時点で爆竹を仕掛けた人物は分かっていない。
一方、県警は遠隔操作できる海外製の着火装置は特定した。同じ装置を入手し、県警科学捜査研究所などで実験し、性能を調べている。捜査幹部によると「
この装置は国内でもネットなどで安く買える。県警は複数の店から購入者リストを取り寄せたい意向だが、個人情報の壁もあって難航。また、リストが入手できても、購入者が転売したり、知人に譲り渡したりする可能性も残る。捜査幹部は「地道に集めた映像を精査するしかない」と話す。
容疑は絞らず
爆竹を公共の場でみだりに使うことは軽犯罪法違反(火薬使用)などに該当するものの、微罪のために逮捕状を取ることは困難だ。県警は、神宮を警衛する「衛士」の雑踏警備を妨害した威力業務妨害容疑や、参拝目的でなく敷地に立ち入った建造物侵入容疑などの適応も検討している。
自民党県連幹部は、「けが人はないのは幸いだが、安倍元首相の事件後であり、軽視できない。早期の全容解明を」と注文。春に統一地方選、6月には志摩市でのG7交通大臣会合も控える。この幹部は「警備には一層力を入れてもらい、同様の事態が起こらないようにしてほしい」と語った。