【特集】生徒たちの自主性を育んだ体験型の沖縄修学旅行…順天
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順天中学校・高等学校(東京都北区)は7月4~8日、3年ぶりとなる中3の沖縄修学旅行を実施した。参加した生徒たちは、平和祈念公園などを訪れて平和学習を行い、沖縄の伝統芸能を体験。さらに初めての試みとなる外来種の植物駆除にも参加した。また、期間中には民泊も行い、現地の家庭での生活を経験する中で、自主的な行動性も身に付いてきたという。
「平和学習」「自然学習」「文化学習」を3本柱に
同校は今夏、3年ぶりに沖縄修学旅行を実施し、中3生100人が参加した。コロナ禍のため一昨年、昨年は中断せざるを得なかったが、沖縄への修学旅行は15年ほど前から続いている。
入試広報委員で中学主任の梅沢恒郎教諭によると、かつてはニュージーランドを訪ねた時期もあったが、英語力が不十分だったことや、日本の文化や歴史について現地で尋ねられても知識不足で答えられなかったため、満足のいく修学旅行体験が難しかったという。近年は、東京グローバルゲートウェイのように、いわば国内で海外体験のできる施設もあることから旅行先も海外にこだわらず、むしろ日本の歴史や環境などをより深く学べるよう、沖縄に切り替えたそうだ。
修学旅行前に生徒たちは、「海」「サーターアンダギー」「シークヮーサー」など、沖縄にゆかりのあるテーマをそれぞれ決めて調べ学習をする。4泊5日の訪問中は、「平和学習」「自然学習」「文化学習」を3本柱として、さまざまな施設を見学したり、現地の人々の話に耳を傾けたりして体験学習する。特に2泊目と3泊目は、生徒は4、5人ずつの班に分かれ、
初日と2日目は主に「平和学習」が行われ、平和祈念公園やひめゆり平和祈念資料館などを訪問した。沖縄戦を体験した「語り部」から当時の話を聞いたり、米軍が撮影した映像や、ひめゆり学徒隊の写真や直筆の文章などを見たりして、戦争や平和について考えた。また、ガイドの案内で、多くの人が自決した荒崎海岸の崖を見学した。
西村
梶田
梅沢教諭は、「少し前までは戦争体験者やひめゆり学徒隊にいた方に話を聞くこともできましたが、今はその機会も少なくなっています。今の生徒たちは直接お話を聞ける最後の世代かもしれません」と話す。
事前に調べ学習して外来植物の駆除を体験
3日目に行われた「自然学習」では、初めて「SDGs環境プログラム」として「やんばる国立公園」に生息する外来植物の駆除に取り組んだ。これについて梅沢教諭は「これまでは海水浴やシュノーケリングなど海のアクティビティーを通して、サンゴや温暖化の問題などを学ぶプログラムを行ってきましたが、沖縄には海以外の環境問題も多い。外来生物という新たな視点をつくることで、環境問題に違った興味を持ってほしいと考えました」と話す。
修学旅行に先立って6月、生徒たちは現地の専門家に、外来種の種類や生息環境、在来種の生態系への影響、また、外来種はどのように入ってくるかなどについてオンラインでレクチャーを受けた。さらに、それぞれ興味のある沖縄の外来生物を1種類選び、調べたことを冊子にまとめた。
当日は現地のガイドに指導を受けながら、民泊の班ごとに外来植物「アメリカハマグルマ」の駆除を行った。黄色い花の色や葉の形などの特徴を把握し、他の植物と間違えないよう注意しながら、根っこから引き抜いていった。
「事前にさまざまな外来生物について調べ学習をしているので、他の外来種を見つける生徒もいました。普段あまり土に触れず、草取りをすることが初めてという生徒も多く、草取り自体が新鮮な体験だったようです。今回の体験で、自分の手で環境を守り、人の役に立つことにつながるという達成感があったのではないでしょうか」
学んだ伝統文化を学習成果発表会で披露
3日目の夜は、「文化学習」として、エイサー、
2泊目と3泊目に行われた民泊も、それ自体が「文化学習」となっている。事前学習として「タコライス」をテーマに調べたという根本
沖縄の海の美しさをテーマとして調べた工藤
「民泊では、掃除や洗濯、持ち物や時間の管理など、すべて自主的に行動しなければなりません。修学旅行を終え、以前より主体的に行動する生徒が増えたと感じます。先日、ある生徒が学校説明会でクラブ活動の説明を自分たちでやりたいと申し出て、自主的にクラブの部長を集めてミーティングしていました」と、梅沢教諭は修学旅行を通じた生徒の成長に目を細める。
「学校は一つの模擬社会で、守らなければならないことがたくさんあります。社会に出れば、お互いに気を使ったり協力したりすることも不可欠です。この修学旅行の中で、お互いに助け合い、誰かがリーダーシップを取って班をまとめていくということが自然にできるようになったようですね」
根本さんも、「民泊や自由行動のとき、いつも助けてくれる大人がいないという状況で、自分で考えて行動することを学びました。普段の生活でも、自分の言動が周りに与える影響を考え、責任感を持って行動したいです」と話した。
梅沢教諭は「沖縄でのさまざまな体験をもとに、高校や大学で興味の幅を広げてほしいと思います。今回学んだことや身に付けたことが、将来を考えるきっかけになってもらえれば」と期待を込めた。
(文:石井りえ 写真:中学受験サポート 一部写真提供:順天中学校・高等学校)
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