廃校の校舎はオフィスを備えた複合施設、教室には養殖水槽と野菜の水耕栽培…循環型農法「新たな事業を広げたい」
完了しました
鹿児島県日置市の旧同市立日吉小の校舎を貸しオフィスなどを備えた複合施設に再生した「日日nova」。
教室だったオフィスの一室の引き戸を開けると、大きな水槽と部屋の高さいっぱいまで並べられた野菜の栽培棚が目に飛び込んできた。太陽の代わりに光合成を促すピンクと白色のLED照明が、近未来を思わせる。
ここで取り組んでいるのは、水産養殖(アクアカルチャー)と水耕栽培(ハイドロポニックス)を組み合わせた「アクアポニックス」だ。オニテナガエビを育てた水を水耕栽培に回し、バクテリアの働きで排せつ物などが栄養素に分解され、バジルやレタスが吸収。浄化された水は再び養殖用の水槽に戻す。
「農薬を使わずに(植物を)育てることができ、水代の節約にもつながる」
この循環型農法を展開するエコアクアファーム(日置市)社長の前田高志さん(56)はメリットを強調する。
前田さんは3年ほど前に通販会社を退職し、「好きなことをやってみよう」と同社を設立し、日日novaの一室を借りた。当初は水槽でオニテナガエビのみを飼育していたが、デッドスペースが気になった。「水槽の上の空間を活用する方法はないか」と調べ、昨夏にこの農法を取り入れた。
現在は観賞用にオニテナガエビ約1000匹を育て、バジルなどの葉物野菜を栽培して近くの物産館で販売するほか、養殖と水耕栽培を組み合わせたシステムの外販も目指す。前田さんは「場所を選ばず、コストを抑えて展開できる。ここから新たな事業を広げていきたい」と意気込んでいる。
1
2