早期発見が難しい膵臓がん、京大などチームが進行に関わるたんぱく質を発見…新たな治療法の開発につながる可能性
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膵臓がんは早期発見が難しい上、化学療法などを行っても広がりやすく、予後が悪い。国内では、年間約4万8000人が新たに診断され、約4万1000人が亡くなっている。
チームは、膵臓がんが広がりやすい謎を解明しようと、様々な実験を行った。マウスの膵臓の細胞に負荷をかける物質を投与すると、「CXCL13」と呼ばれるたんぱく質が出ることを発見。がん細胞では、このたんぱく質が周囲の細胞に作用して炎症を起こし、がん化させていることも確認した。
膵臓がんのマウス3匹にこのたんぱく質の働きを抑える薬剤を10日ごとに5回注射したところ、がんはほとんど大きくならなかった。薬剤を与えなかった3匹と比べると、がんの大きさは平均100分の1程度だったという。
手術で切除した人の膵臓がんでも、このたんぱく質が見つかっているといい、チームの川口義弥・京大教授(幹細胞生物学)は「化学療法や放射線治療の後に、膵臓がん細胞が出すたんぱく質の働きを薬で抑えられれば、進行を食い止められる可能性がある」と話す。
田中真二・東京科学大教授(分子腫瘍医学)の話「新たな治療戦略の基盤になりうる研究だ。人の膵臓がんで同じ仕組みがどれほど働いているかを確かめ、その働きを抑えた際の影響を検討することが不可欠だ」