共同親権の開始 離婚時の確執どう乗り越える
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子を養育する親の責任は、夫婦が離婚したとしても消えない。子の幸せのために何が必要か、生活をどう守るのか、父母が冷静に話し合っておくことが欠かせない。
改正民法が1日に施行され、離婚後も父母双方が子の親権を持つ「共同親権」が導入された。
これまでは、離婚した両親のどちらか一方が親権を持つ「単独親権」しか認められなかった。そのため、親権のない親が養育に関わりにくいという問題があった。
今後は、父母が離婚する際、共同親権にするか、単独親権にするかを話し合って選択する。既に離婚している場合でも、家庭裁判所に申し立てて認められれば、共同親権に変更できる。
親権は、親が子の教育や財産管理を行う権利であり、義務でもある。離婚後も父母がともに子育てに責任を持ち、子の不利益にならないようにせねばならない。
共同親権の理念が定着すれば、子が両親から大切にされていると実感しながら、成長することにもつながるのではないか。
最大の課題は、離婚する父母の感情的な対立だろう。日本では、当事者同士の話し合いによる協議離婚が大半だが、養育内容を事前に決めていないことが多い。
離婚後、「顔も見たくない」として、別れた相手側に子を会わせないケースも目立つ。離婚した父母を持つ子の大半は母親と暮らしている。そうした母子家庭の6割は、父親から養育費を受け取ったことがないという。
共同親権の導入にあたり、別居する親に子1人あたり月2万円の法定養育費を請求できる制度が新設された。しかし、養育費として到底十分な金額とは言えない。
離婚する父母は、子の将来のため、養育費の額や別居する親との定期的な交流などを事前に話し合い、養育計画書のような形で文書に残しておくことが重要だ。
離婚の際、当事者だけでこれらの点を解決しようとせず、第三者に支援を仰いでほしい。
共同親権と単独親権の違いや、養育内容の決め方について、行政機関や弁護士会の窓口に相談することも有効だろう。法務省のホームページにも解説資料が載っているので、参照してもらいたい。
離婚の背景に、一方の親によるDV(家庭内暴力)や子への虐待がある場合も少なくない。その場合は、家裁が単独親権を決定する。裁判所は申し立ての増加に備え、心理学に詳しい職員を増やすなど、体制を整える必要がある。