短期バイトで脱ひきこもり NPOが就労支援 20代女性「動き出すきっかけに」
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若者の就労支援に取り組む仙台市のNPO法人「Switch(スイッチ)」が今年度、市の助成を得て、ひきこもりの人たちのサポートに力を入れている。支援を利用してスーパーで働き始めた20歳代の女性は「動き出すきっかけがほしかった」と手応えを語った。(江坂直希)
■■気楽さに背押され
スイッチはパートナー企業11社と連携し、ひきこもり状態の人を対象に「ぽっと☆バイト」という短期アルバイトを提供している。1日あたりの勤務時間は4時間程度と短く、初日はNPOスタッフが職場に同行する。勤務前、仕事に慣れるインターン(お試し)の時間を数日用意するところもある。
女性もインターンを経て、スーパーでの品出しやレジ打ちなどを3週にわたり1日4時間、計9日間挑戦した。期間終了後、店側から「ぜひ続けてほしい」と誘われ、正式にバイトとして採用された。「働くことはもっと難しいものだと思っていた」と笑顔を見せた。
ひきこもりの始まりは3年前だった。当時通っていた専門学校でいじめがあった。当事者として巻き込まれたわけではないが、「大人でもこんなことが起きるのか」とショックを受け、学校を中退した。
外出して買い物などはできる。キャンドル作りが趣味で作品をオンラインで販売もしている。しかし仕事となると「和を乱す人がいたら」と恐れ、なかなか踏み出せなかった。
スイッチの短期アルバイトは、仙台市のホームページを見て知った。働く期間が10日程度と短いことに気楽さを感じ、勇気を出して連絡を取った。ハードルが高いと感じていた履歴書作りはスタッフが一緒に考えてくれた。
バイトを始める前も不安だったが、店の従業員は事情を分かっていて、丁寧に教えてくれた。気づけば「明日は仕事をどう良くしていこうか」と考えるようになったという。「実際にやってみたら、ハードルはそれほど高くなかった。家族以外に頼れる人がいたことも大きい」と女性は振り返る。
■■24人が支援利用
スイッチによる短期アルバイトの就労支援は、これまでに24人が利用。定めた期間中の業務を全員が無事終えた。このうち7人がひきこもり状態を脱し、就労に進んだという。
対象は仙台市在住の18歳以上。食品の箱詰め、障害者通所施設の支援補助、高齢者住宅施設の清掃など、仕事内容はさまざまだ。働く日数などは相談に応じる。小野彩香代表理事は「どの人にもできる仕事が必ずある。就労支援は社会参加のための手段の一つ。いま自分ができそうなことを考えて、外部に踏み出す足がかりにしてほしい」と話す。
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今年度の利用申し込みは1月25日まで。問い合わせは平日午前9時~午後5時、スイッチ(022・762・5851)へ。