週に2時間半以上の筋トレは危険?
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健康的な体づくりやシェイプアップを目指す運動の中で、日本でも数年前から筋力トレーニング、いわゆる「筋トレ」がはやっています。
ブームを象徴するNHK「みんなで筋肉体操」
筋トレブームを象徴する現象だと私が思ったのは、NHKテレビで2018年夏から放送された「みんなで筋肉体操」。深夜のわずか5分間の番組なのにSNSで話題となり、何度も再放送されました。「筋肉は裏切らない」は流行語になりましたね。今でも朝のニュース番組「おはよう日本」の月曜日に、装いを変えた1コーナーとして放送されています。
この番組に限らず、近年、筋トレにハマっている俳優やタレント、お笑い芸人らがテレビやユーチューブに頻繁に登場するようになりました。筋トレは、一時的なブームではなく、今やすっかり市民権を得た、と言ってよさそうです。
私自身、かれこれ四半世紀以上前から自宅で筋トレを続けています。と言っても、週に5日頑張る時もあれば、2~3週間まったく何もやらない期間もあり、いい加減なトレーニー(trainee=筋トレをする人を表す英語。本来は研修生、訓練生の意味)です。当然、マッチョにも細マッチョにもなれないままですが、今でも朝、ちょくちょく腕立て伏せやスクワット、ダンベルを使ったエクササイズなどをやっています。
さて、そんな筋トレ好きにとって、ちょっとショッキングな研究結果が今年2月下旬に発表されました。
筋トレのやり過ぎは「疾病・死亡リスク上昇」?
筋トレの時間が週130~140分を超える人たちでは、筋トレをやらない人たちより(糖尿病以外の)疾病リスクが上昇し、死亡リスクも高まることが分かった 、というのです。
てことは、ですよ。家で30分の筋トレを週5日行っている人も、フィットネスジムで50分の筋トレを週3回行っている人も、トータルで週150分の筋トレになるから、病気や死亡のリスクが高まる、ってことになるじゃありませんか。おいおい、マジか~!
この研究結果を発表したのは、東北大、早稲田大、九州大の研究グループ。研究論文は、スポーツ医学の分野で最も権威のあるBritish Journal of Sports Medicine誌(電子版)に掲載されました (http://dx.doi.org/10.1136/bjsports-2021-105061) 。
研究では、18歳以上の人の筋トレと疾病・死亡リスクの関係についての国内外の研究論文1252本を集計・整理しました(システマティックレビュー)。その中から信頼度の高い論文16本を選び、これらの結果を統合し(メタアナリシス)、筋トレと疾病・死亡リスクとの関連を調べたのです。ちなみに、システマティックレビュー(系統的レビュー)とメタアナリシス(メタ解析)という手法は、単独の研究に比べて信頼性が高く、研究手法の中では科学的根拠(エビデンス)のレベルが最も高いとされています。