廃校舎活用した「パックご飯」新工場、秋田の生産者ら計画…需要増で「夢のある産業」
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秋田県大潟村のコメの生産者らで作るパックご飯製造会社「ジャパン・パックライス秋田」は12日、隣の男鹿市の廃校舎を活用し、新たな工場を建設する計画を明らかにした。パックご飯は災害備蓄用などで需要が高まっており、新工場の年間製造量は大潟の工場の1・5倍に相当する約5500万食。来年夏の稼働開始を目指す。
新工場は、同社が男鹿市に昨年11月に設立した子会社「ジャパン・パックライス男鹿」が運営する。同社の涌井徹会長と菅原広二市長らが12日、県庁で立地協定を結び、その後の記者会見で、新工場を6月に着工するなどの計画を発表した。
使用する廃校舎は2015年3月に閉校した旧野石小学校。敷地面積は約2万平方メートルで、炊飯を行う施設は新たに整備するが、製品を包装する施設や資材倉庫、製品倉庫は、校舎や体育館を活用する。総事業費は39億円。17億7000万円を国の補助で賄う。
同社などによると、パックご飯は長期保存できるため災害備蓄用として重宝され、一人暮らしや高齢者世帯での需要も増しているという。農林水産省の食品産業動態調査によると、23年の国内生産量は約21万トンに上り、10年前の1・6倍に増加した。
男鹿の工場では、県産米を4割ほど使用した通常商品のほか、県産のあきたこまちやサキホコレを100%使用した商品も作る予定。製造量のうち8割は大都市を中心に国内で販売し、残りは欧米地域への輸出を想定しているという。
会見で、涌井会長は「農業の衰退が進む中、パックご飯が農家にとって重要な戦略になる。夢のある産業だ」と話した。
男鹿市には廃校舎が複数あり、市がジャパン・パックライス秋田に働きかけて工場の誘致が実現した。菅原市長は「今回が突破口になって、廃校舎の利活用に結びつけられれば」と力を込めた。