不登校の中学生を受け入れる「学びの多様化学校」、山口県下関市で開校式…指導内容や授業時間を柔軟に
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山口県下関市内の不登校の中学生を受け入れる「学びの多様化学校」が同市関西町の市立関西小の校舎に設けられ、3日、開校式があった。学びの多様化学校は不登校の児童・生徒を対象としており、学習指導要領にとらわれずに指導内容や授業時間を柔軟に決定できる文部科学相指定の学校で、県内で開校するのは初めて。14日に転入学式があり、1年生3人、2年生10人、3年生7人の計20人が学び始める。(平木和頼)
開校したのは市立文洋中関西分校(定員30人程度)。文洋中の本校は同市上新地町にあり、校区内に関西小がある。生徒20人は相談会や体験会を経て入学を希望し、市教育委員会の審査委員会で分校就学が適当と判断された。
分校の特徴はゆとりのある時間設定や教育内容だ。登校時間は午前9時頃、下校時間は午後3時頃、年間授業時間は通常より210時間少ない805時間に設定。削減分は5教科の学び直しや発展学習の授業、「総合的な学習の時間」の授業数増加に充てる。音楽、美術、技術・家庭科を合科した独自の教科も新設し、楽器演奏などの表現活動を重視する。状況により、リモートでの授業も可能だ。
教育方針としては「『できること』『やりたいこと』『なりたい自分』探しの支援」を掲げる。少人数制であることも生かし、「様々な活動を通じた経験に基づく自信の獲得」「『かかわり』から学ぶコミュニケーション能力の向上」「進路選択に向けた学力の向上」を図る。
教職員は田口真一校長のほか、常勤10人、非常勤3人。1~3年生混成の縦割り学級制を導入し、2人担任制を取る。教科の授業は学年別に実施。生徒には朝、夕の2回、タブレットを通じたアンケートを行い、気分や相談事の有無などの把握に努める。
分校は校舎の2、3階を活用。教室は三つあり、黒板に拒否反応を示したり、音に敏感だったりする生徒への配慮として、ホワイトボードや音の出にくい床を採用している。このほか、畳部屋の「くつろぎスペース」には本や漫画、テーブルゲームなどを用意し、テントも張った。「ほっとルーム」は1人で使える間仕切り空間やソファベッドなどを備える。
下関市の不登校の小中学生は、2024年度末時点で全体の約4・3%にあたる713人(小学生308人、中学生405人)。市教委は不登校対策として各学校に校内教育支援教室を設け、運営を補助する「こころのアシスタント」を配置。校外施設の教育支援教室2か所も開設している。
関西小には15年から、不登校の中学生を対象とする文洋中の分教室を設けていたが、常勤の教職員が4人に限定されるなどの制約もあったため、教育環境の充実に向けて分校に改組した。
開校式は楽器演奏などを楽しむプレイルームで行われ、関係者約50人が出席。磯部芳規・市教育長は分校について「新しい発想の学校だ。教職員には生徒の思いや願いを受け止めてもらい、温かく粘り強く支えてほしい」と述べた。繁吉健志・県教育長は「県全体の教育を考えるうえでも大変重要な取り組みだ」と強調した。
式後、田口校長は「生徒が夢と希望を持ち、自分の居場所や学びを見つけ、未来を探せる学校にしていきたい」と話した。