米軍機撃墜、トランプ氏「イラン軍壊滅」発言に矛盾…イランが米兵拘束なら「外交カード」にも
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イランによる米戦闘機の撃墜は、トランプ米政権の痛手となっている。トランプ大統領は1日に「(イラン軍の能力は)壊滅状態にある」と宣言したばかりで、相次ぐ迎撃を受け、発言の矛盾が露呈した。行方不明の乗員がイラン側に拘束されれば、米国内の世論の突き上げを受ける可能性もある。
米CNNなど主要メディアは3日、イラン軍が発表したF15戦闘機の破片画像を繰り返し報じた。一連の戦闘で米軍の死者は出ているものの、戦闘機の撃墜は初めてとなる。米軍機が立て続けに墜落したことで、トランプ氏が繰り返し述べてきた「圧倒的な勝利」の主張が揺らいだ形だ。
イランは迎撃の成功を国内外に誇示しており、反米・保守強硬派を勢いづけている。精鋭軍事組織「革命防衛隊」は3日、「新たに開発した高度な防空システムが戦闘機を撃墜した」との声明を発表した。トランプ氏は、今後2~3週間の攻撃強化を表明しているものの、自信を深めるイランに武力威圧が通じにくくなる可能性もある。
撃墜されたF15の乗員2人のうち、生存しているとみられる1人の安否も火種だ。米側の救助は難しく、イラン側に拘束されれば「外交カード」として利用されかねない。1日発表の米CNNの世論調査では、軍事作戦を支持する米国民は34%にとどまっており、米兵拘束の事態はさらなる下落要素になり得る。
トランプ氏は3日、英紙インデペンデントのインタビューで、乗員がイランに拘束された場合の対応を問われ、「そのようなことが起こらないことを願っている」と述べた。米国との交渉相手と目されるモハンマドバゲル・ガリバフ国会議長はSNSで「米国が仕掛けた戦略なき戦争は、『体制転換』から『誰かうちのパイロットを捜して』へと成り下がった」と皮肉った。(ワシントン 栗山紘尚、国際部 吉形祐司)