障害者就労、加算金の不正受給は百数十億円…大阪市が「絆HD」監査・4事業所を行政処分へ
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大阪市の福祉関連会社「絆ホールディングス」(絆HD)傘下の「就労継続支援A型事業所」が、障害者就労支援の加算金を過大受給したとされる疑惑で、大阪市は、傘下の4事業所が2024~25年度に計百数十億円を不正に受け取ったと判断し、近く障害者総合支援法に基づく行政処分をする方針を固めた。市の支給分について返還請求する。複数の関係者への取材でわかった。
関係者によると、4事業所は絆HDのグループ会社などが運営する「リアン内本町」「レーヴ」「リベラーラ」「ミライム」(いずれも大阪市)。利用者を事業所内の運営側スタッフとして半年間以上雇った後、再び利用者に戻すことを繰り返す手法で、その度に「就労移行支援体制加算」と呼ばれる加算金を請求し、受け取っていた。
市は同法に基づき、昨年8月から監査を実施。4事業所が利用者の障害の特性や働く能力を考慮せず、計画的に加算対象を作り出すことを目的とし、この手法を用いていたと判断した。
この加算金は、事業所を利用した障害者が就職し、半年間勤務できた場合、国や自治体から事業所に支給される。本来、障害者が一般企業で働き続けるための継続的な支援を行う事業所を後押しするのが目的で、市は制度の趣旨に反していたとして、4事業所の手法による加算金全てを不正受給とし、処分する方針だ。
加算金は利用者が住む自治体を通じて支払われる。4事業所の利用者は大阪市外の自治体にもおり、各自治体の支給額は計百数十億円になるという。市はこのうち、市が支払った加算金の返還を求める。他の自治体は今後、市の監査結果に基づいて返還請求を検討する見通し。
厚生労働省は24年度、加算金のルールを改定。一度就職し加算対象になった障害者については、その後3年間は就職しても事業所に加算金を支給しないとした。だが絆HD傘下の事業所は改定前の加算実績には影響しないと主張し、24年度以降も申請を継続。厚労省はルール違反とし、市は同年度以降の請求分を監査していた。
絆HD傘下の事業所を巡っては、24~25年度に3事業所に支払われた給付金のうち、20億円以上の加算金の過大受給疑惑が、昨年11月の読売新聞の報道で明らかになった。絆HDは25日、読売新聞の取材に「法令順守の上、適正な事業所運営に努めている」とした。