台湾有事巡る高市首相の国会答弁「大きな転換を示すもの」…米の脅威報告書、中国は「27年まで侵攻計画なし」
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【ワシントン=池田慶太、向井ゆう子】米情報機関を統括する国家情報長官室は18日、世界の脅威に関する年次報告書を発表した。台湾有事は存立危機事態になり得るとした2025年11月の高市首相の国会答弁について、「現職の日本の首相としては大きな転換を示すものだ」と分析した。中国が現時点で27年までは台湾侵攻を計画していないとの見解も明らかにした。
首相は自身の発言について、従来の政府の立場を変えるものではないと説明している。
報告書は、首相の発言後、中国が日本産水産物の禁輸措置を講じていることなどに触れ、「緊張が高まれば、中国はさらなる経済的圧力を強める可能性が高い」と指摘。沖縄県・尖閣諸島周辺で中国軍や海警局の活動が活発化する可能性にも言及し、「事故や誤算のリスクを高め、意図せぬエスカレーションを招く恐れがある」と懸念を示した。
中国が目指す台湾統一については、「中国指導部は現時点で、27年に台湾侵攻を実行する計画を立てておらず、統一達成のための具体的な期限も定めていない」と記した。米国はこれまで、27年までに中国が台湾侵攻への準備を整えると分析し、警戒を強めてきた経緯がある。
報告書では、中国が「可能であれば武力を行使せずに統一を達成することを望んでいる」と強調し、「中国当局者は、台湾への水陸両用侵攻は極めて困難で、特に米国が介入した場合は失敗するリスクが高いと認識している」と分析した。
報告書は、中国について人工知能(AI)分野において最も有力な競争相手と指摘したほか、宇宙分野における米国の主要な競争相手としてロシアをしのいだとの見解を示した。
中東情勢では、米イスラエルの攻撃を受けるイランについて、無人機や弾道ミサイルなど残る戦力を総動員し、米国や中東の同盟国に報復を行っていると指摘した。現政権が存続する限り、最高指導者アリ・ハメネイ師を殺害した米イスラエルに対する報復を「ほぼ間違いなく図るだろう」とも強調した。