「欲望という名の電車」主演の篠井英介…「女方」の自負、19年ぶりのブランチ役「外国の女性であることも年齢も忘れられる」
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篠井英介が主演する米劇作家テネシー・ウィリアムズの傑作「欲望という名の電車」が12~22日、池袋・東京芸術劇場で上演される。名優・杉村春子が長年演じたブランチ役に、現代演劇の名女方が19年ぶりに挑む。(編集委員 祐成秀樹)
前回演じたのは、2007年だった。「年齢的に気力と体力が限界だと思った」と振り返るが、その後に受けた取材で次にやりたい作品を問われると、つい「『欲望』です」と答えた。「とにかく好きということに尽きるんです」とほほ笑む。
裕福な家に育ったブランチは零落し、ニューオーリンズの妹ステラの家に身を寄せるが、ステラの夫で粗野な性格のスタンリーとそりが合わず、隠したかった過去を彼に暴かれる。「ブランチは口では上品なことを言ってるけど、
ブランチを「演じたい」と思ったきっかけは、高校1年の時に杉村による「欲望」を見たことだ。人間の裏面を描いた物語に衝撃を受けるとともに、杉村の語りとたたずまいに引き込まれた。「外国の女性であることも、年齢も、忘れられるんですよ」
1987年に歌舞伎をベースにした作品を上演する劇団「花組芝居」の旗揚げに参加し、女方として頭角を現した。92年にブランチを演じる公演が決まったが、チケット発売後に出演者全員が男性であることに作者の遺族が難色を示したため上演を断念した。
だが、あきらめずに芸を磨き続け、2001年についに夢がかなった。役のお手本にしたのは杉村と、映画版でブランチを演じたビビアン・リーだという。
さらに歳月は流れて世の中のジェンダーレス化が進み、今や男性が女性の大役を演じることは珍しくなくなった。「ライバルがいっぱいいます」と言いつつ、「女形」ならぬ「女方」であることに自負を持っている。「女性の俳優に交ざって女性のように見えるには、女の『形』ではなく、技術や精神などにひとつの方向を持っていないと。だから僕は『方』という言葉を使っています」
翻訳、演出はG2。スタンリーは田中哲司、ステラは文学座の松岡依都美が演じる。「大事なのは、心を一つにして何かに向かっていく喜び。みんなが楽しそうにやって、共演者が評価を受けると、幸せな気持ちになります」と柔らかに語った。(電)03・5827・0632。