大阪教育大が付属中高の統合を検討、志願者数の減少傾向踏まえ「現状のままでは立ち行かなくなる」…天王寺と平野「一貫校」へ
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大阪教育大(大阪府柏原市)が、大阪市の天王寺、平野両区内にそれぞれある付属中学校と高校を統合し、新たな中高一貫校を設立する検討を始めたことが、複数の大学関係者への取材でわかった。少子化や大阪府独自の高校無償化の影響で志願者数が減少傾向にあり、伝統ある付属校の統合に踏み切る必要があると判断した。2026年度中に具体的な計画を策定する。
高校無償化影響
複数の大学関係者によると、新たな中高一貫校の設置場所は未定だが、新校舎の建設を目指すという。
大阪教育大は、天王寺、平野、池田(大阪府池田市)の3地区にそれぞれ小中高校を持ち、平野地区には幼稚園と特別支援学校もある。大学と連携した先進的な教育が特徴で、高い人気を誇ってきた。卒業生は有名国立大などに進学しており、ノーベル賞受賞者の山中伸弥・京都大教授は付属天王寺中学・高校出身だ。
しかし、少子化や大阪府独自の高校授業料無償化の影響で、近年は志願者集めに苦戦している。読売新聞が入手した資料によると、付属高3校の25年度入試の平均倍率は1・18倍。付属高天王寺校舎では21~23年度、同平野校舎は24年度、同池田校舎は23年度の入試で志願者数が募集定員に満たなかった。付属中学校の受験者数も減少傾向にある。
大教大は既に、天王寺と池田の中学で26年度から、高校で29年度から入学定員を減らすと発表している。少子化の加速を見据えてさらなる見直しが必要と判断し、大学役員会で中高の統合の検討を最終決定した。付属校の教職員や同窓生らへの説明を始めている。
池田は存続
天王寺、平野の中高は現在、合わせて1学年7クラスある。26年度以降の天王寺中高の定員減で6クラスとなるが、統合して4クラスに減らす方向で検討する。池田の中高は大阪大との交流を通じた学びを進めており、存続する。
大阪教育大は読売新聞の取材に対し「現状のままでは立ち行かなくなる。付属校が果たしてきた使命と伝統を引き継ぐためにしっかり検討したい」とコメントした。
国立大付属校の再編は全国的な課題だ。文部科学省は昨年11月にまとめた国立大の改革基本方針で、付属校の数や種類、規模について「必要な見直しを実行することが求められる」と明記した。広島大は同月、付属の小中高校で27年度以降、再編などで定員を減らす方針を発表している。