【独自】住民訴訟、費用は誰が負担?…原告に219万円請求の市「財政上の負担生じている」
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高槻市もこれまで、慣例を理由に全ての住民訴訟で請求してこなかった。しかし、北岡さんが原告となった訴訟で、市の請求可能額は29件で計219万円に上る。弁護士への着手金などで1件100万円以上かかることもあるため、昨年7月に請求する方針に転じ、手続きを進めている。
市は「請求しないのは債権回収を怠るのと同じ。少しでも回収して負担を軽くする」と説明。別の自治体の担当者は「限られた職員で、弁護士や担当部局との調整に追われ、業務に支障を来しているのではないか」と推測する。
市は北岡さん以外への訴訟対応について、「今後も原則は請求しないが、高額に達したと判断すれば求めることもある」とする。
北岡さんは、請求には従う一方で「公金の無駄な支出を食い止め、住民全体の利益のために手弁当で闘っているのに、個人に費用負担を求めるのは筋違い」と主張する。
住民訴訟での自治体側の勝訴率は9割超とされており、「全国市民オンブズマン連絡会議」事務局長の新海聡弁護士は「敗訴した住民側への請求が定着すれば、誰も住民訴訟を起こさなくなる」と懸念を示す。
住民訴訟に詳しい白藤博行・専修大教授(行政法)の話「住民訴訟にかかる費用は、自治体の違法な公金支出をチェックするための必要経費とも言える。明らかな訴権(裁判を起こす権利)の乱用なら請求はやむを得ないが、回数の多さだけで判断すべきではない。行政の適法性の確保につながる法治主義のコストだという視点を持ってほしい」
◆住民訴訟 =自治体の首長や職員による財務上の違法・不当な行為を防ぎ、住民全体の利益保護を目的とする制度。職員らに損害賠償請求するよう求める訴えのほか、行政処分の取り消し請求なども含まれる。自治体の監査委員に住民監査請求を行い、その結果を待たなければ提訴できない。
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