不登校の生徒を受け入れてきた「救いの高校」、最後の卒業式…全国わずか3校の「組合立」高校が幕
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多くの公立高校で1日、卒業式が行われた。不登校の生徒らを受け入れてきた女子校の
同窓生も出席
「学びやとしての形はなくなるかもしれません。しかし、母校で学び、笑い、支え合った日々はかけがえのない青春の思い出です」
卒業生代表の生徒会長(18)は閉校式で3年間を振り返った。歴代校長や住民のほか、約100人の同窓生も出席。大山明校長(65)により校旗が返納され、全員で校歌を斉唱すると、多くの卒業生らが涙をぬぐった。
1963年に開校した同高は久留米市など3市1町の組合が運営。全国で3校しかない「組合立」高校の一つだ。少子化などの影響で1学年200人だった定員は、2018年以降は120人にまで減少した。近年は「選ばれる学校」を目指し、学校を挙げて不登校を経験した生徒を受け入れてきたが、入学者の定員割れは続いた。22年に閉校が決まり、23年春の入学者を最後に募集を停止した。
中学で不登校を経験した卒業生(18)は、「いじめもないのに学校に行けない自分が嫌いだったけど、時には家に来て親身に話を聞いてくれる先生たちのおかげで、ありのままの自分を受け入れられるようになった」と語った。
GACKTさんがサプライズ登場
終了後、同高の閉校を知った歌手のGACKTさんがサプライズで登場し、会場は大歓声に包まれた。毎年のように各地の学校の卒業式に出演しているといい、この日は自身の楽曲「野に咲く花のように」を熱唱。卒業生に「夢は見るものじゃない、夢はかなえるもの。かなえること、それは強い意志を貫くこと」とのメッセージを贈った。
卒業生もサプライズで教員ら約30人の「卒業式」を敢行。一人一人異なる内容の「卒業証書」を渡し、相談にのってもらったり、優しく接してもらったりしたことへの感謝を伝えた。
1977年に着任後、中学でいじめや人間関係のもつれを経験した生徒たちに寄り添ってきた常勤講師の石松勲さん(71)は、「三井中央高校のおじいちゃんとして若者にはない考え方をたくさん教授してくださいました。49年間の職務を全うしたことをここに賞します」との卒業証書を受け取った。
石松さんは「卒業が近づくにつれて積極的に会話できるようになった生徒もいて、本人たちの頑張りの成果だと思う。自分も一緒に成長させてもらった」と涙を浮かべた。
公立高、30年で2割減
少子化に伴い、各地で公立高校の統廃合が進んでいる。文部科学省の学校基本調査によると、1995年度に4164校あった全国の公立高は、昨年5月時点で3426校となり、この30年で約2割減少した。
長崎県では全日制の県立高54校中、42校で定員割れとなっている。多様な学習や行事、部活動への支障も
山口県教育委員会は昨秋、7市14校の県立高を2033年度までに7校に再編統合する計画案を公表した。14年後の中学卒業者は現在より約4割減る見通しといい、担当者は「望ましい学校規模を確保することで教育の質の向上を図りたい」としている。