「節税」と偽り脱税指南、容疑のコンサル経営者150億円集金…税理士お墨付きで企業が契約
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300社と契約
民間信用調査会社などによると、首藤被告は熊本県の私立高校を卒業後、都内の大手通信会社に入社。やがて飲料水宅配サービスの会社を創業するなど実業家の道に入り、12年にボーノ社を設立した。
折しも電力自由化が段階的に進んでおり、首藤被告は、電力会社との交渉で電気料金を削減するコンサル事業を営むとともに、ネクスト社を再委託先に使った問題の「節税ビジネス」を展開。「42か月で109%の回収」「12年間税務否認なし」といったキャッチコピーで全国の企業に営業をかけ、税理士らに紹介料を支払って顧客の紹介を依頼した。事業を信用させるため、ネクスト社の事務所を案内することもあった。
コロナ禍でモノが売れなくなると、節税や手数料収入を望み、契約する企業が相次いだ。最終的には首都圏や関西などの計約300社と契約し、約150億円を集めた首藤被告。契約先が増えるにつれ、高級ブランド品を身につけて出社するなど生活が派手になったという。だが実際は別の企業から得た再委託料を手数料に回す「自転車操業」状態で、被告を知る会社役員の男性は「利益を追求し過ぎ、犯罪スレスレのことをやっているように感じていた」と話す。
22年2月に始まったロシアによるウクライナ侵略で原油高になると、電気料金は上昇する一方となり、交渉で料金を下げるコンサル事業が成り立たなくなった。手数料支払いが滞り、企業からは損害賠償などを求める訴訟を起こされ、社内関係者も首藤被告と連絡が取れない状態に。ネクスト社元従業員は取材に、「昨年春頃から給料が支払われなくなり、事務所も強制退去させられた」と明かした。
首藤被告は、不動産会社の件も含めて法人税計約2億円を脱税した容疑で先月から今月にかけて特捜部に2度逮捕され、脱税の事実を認めているという。だが企業から集めた資金の大半は現在も戻されていない。