訪露したケニア人陸上選手、「仕事」とだまされ遺体転がる戦場へ「サインしたのは死刑宣告書だった」…軽んじられる契約兵の命
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母国では幼い4人の子と妻が待つ。「戦争が終わるまでここにいる。そしてもう二度とロシアには戻らない」と決意している。
非道な扱いは外国人兵士に対してだけではない。ロシア極東ウラジオストク出身のピョートル・オグリ(33)は、負傷して入院した病院から抜け出し、脱走兵となった。捕まると、完治していない状態で前線に戻され、昨年7月、突撃部隊に入れられた。懲罰として、地面に掘った穴に十数人と一緒に放り込まれ、閉じ込められたという。
上官の命令は、どんなに無謀なものでも絶対だった。従わない兵士は木に縛り付けられ、数日間放置された。真夜中の任務を拒否した兵士には、無人機で手りゅう弾を投下して殺害。上官は隊員を遺体の周りに集め、「逆らえばこうなる」と言ったという。
矛先が自身に向いたこともある。貴重品は上官に預けることになっていたが、銀行口座から無断で55万ルーブル(約100万円)が引き出された。発覚を防ぐためか、上官は部隊の兵士に、「(オグリが)生き残ったら殺せ」と殺害命令を出したという。その兵士から後日打ち明けられた。
捕虜となり手を拘束された際、ウクライナ兵に食事を口に運んでもらったことに感動し、涙が出た。「捕まれば斬首されると聞いていたが、違った。ロシア兵を死に導いているのはロシアだった」(敬称略)