医療従事者による未成年患者への性被害、こども家庭庁が調査…「日本版DBS」に医療機関の追加も検討
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医療従事者による未成年患者へのわいせつ行為が相次いだことを受け、こども家庭庁が医療機関で起きた子どもの性被害について初の実態調査を始めたことがわかった。子どもと接する業務に就く人の性犯罪歴を確認する新制度「日本版DBS」では、医療機関は犯歴確認の対象となっておらず、同庁は調査を踏まえて確認対象に加えるかどうかを検討する。
未成年患者が診察などの場で性被害に遭う事件は相次いで確認されている。一方、過去3年間に性犯罪で有罪が確定し、免許取り消しなどの行政処分を受けた医師や歯科医師は計63人に上るものの、未成年が被害を受けたケースがどの程度あるかや事案の詳細はわかっていない。そのため同庁は昨年秋から、医療機関での子どもの性被害の実態調査に乗り出した。
同庁によると、調査では病院や歯科医院といった医療機関約5000か所へのアンケートのほか、性被害者の支援団体への聞き取りを通じ、医師や歯科医師、看護師などによる性被害の実態、各病院の防止策などを把握する。
患者へのわいせつ行為などで医療従事者が行政処分を受けた事例も過去10年ほど遡って調べる。海外での取り組みなども参考に、今年度内に被害の実態や必要な対策を報告書にまとめるという。
日本版DBSは学習塾やスポーツクラブなどの民間事業者も任意で参加できるが、医療機関は子どもに関わらない従業員も多いことなどを理由に対象から外れた。
日本版DBSの創設を規定したこども性暴力防止法の付帯決議には、犯歴確認の対象に医療機関を加えることを検討すると明記された。DBSは同法施行後3年をめどとした見直し規定も設けられており、同庁は調査結果を踏まえ、見直し時期に合わせて対象に追加する必要があるかを検討する。
◆ 日本版DBS =2024年に成立したこども性暴力防止法で創設が決まった。26年12月から学校や保育所などに、子どもと接する業務に就く人の性犯罪歴を法務省に照会することを義務付ける。モデルとした英国のDBS(ディスクロージャー・アンド・バーリング・サービス=前歴開示・前歴者就業制限機構)では、医師らも犯歴確認の対象に含まれる。