逮捕の東大教授、吉原のソープランドや銀座の高級クラブを指定か…警視庁は元准教授からも任意で任意で事情聞く
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東京大大学院の教授の医師が24日、共同研究の相手から高額接待を受けたとして、警視庁に収賄容疑で逮捕された。教授は性風俗店や高級クラブでの接待を頻繁に要求し、場所も指定していたとみられる。昨年には、医療機器の選定を巡る汚職事件が明らかになったばかりで、東大への信頼は大きく揺らいでいる。
逮捕されたのは、東大大学院医学系研究科教授の佐藤伸一容疑者(62)。大麻の合法成分などの皮膚への効能に関する「社会連携講座」の研究で便宜を図った見返りに、一般社団法人「日本化粧品協会」の代表理事の男性(52)から性風俗店などで約180万円相当の接待を受けた疑いがある。
同研究科元特任准教授の男性医師(46)も約190万円相当の接待を受けていたといい、同庁は元准教授と代表理事から任意で事情を聞いている。
国立大学法人の職員は「みなし公務員」にあたり、収賄罪の適用対象となる。
社会連携講座は、民間企業などと共同で研究を行う部門で、提携先が経費を負担して運営されている。佐藤容疑者は2022年5月に知人を介して代表理事と面談。同年9月、大学に講座設置の審議を申請した。
接待が始まったのは、講座の設置が承認された後の23年2月だった。代表理事は都内のフランス料理店で佐藤容疑者と元准教授と会食し、約15万円の飲食代を支払った。それ以降、東京・吉原のソープランドや銀座の高級クラブを指定されるようになり、頻繁に接待していたという。接待は月2回ほどで、佐藤容疑者への費用が一度で10万円を超えることもあった。
この社会連携講座は同年4月に開設された。研究内容は佐藤容疑者が決め、元准教授が実際の研究を主導していたという。
同協会は化粧品の研究開発を行っている。共同研究では一定の成果も出ていたといい、同庁は、代表理事が研究成果を協会の事業につなげるため接待を続けていたとみている。
東大のホームページによると、佐藤容疑者は1989年に東大医学部を卒業。長崎大教授などを経て2009年7月に東大大学院医学系研究科の教授に就任した。21年度には、皮膚や内臓が硬くなる「強皮症」の治療法に関して、東大病院長賞を受賞。東大医学部付属病院皮膚科長も務めていた。
代表理事が24年9月、佐藤容疑者らから金銭を要求されたとして、警視庁に被害を相談し、事件が発覚。講座は昨年3月末、研究期間の途中で閉鎖された。
同協会側は昨年5月、佐藤容疑者らと東大に計約4200万円の損害賠償を求めて東京地裁に提訴し、現在も係争が続いている。
NPO法人「医療ガバナンス研究所」理事の尾崎章彦医師は「産学連携の共同研究は、資金難に苦しむ大学の研究活動を支える一方、癒着の温床になりやすく、今回の事件は氷山の一角ではないか」と指摘した。
統治不全 卓越大認定に影
東京大は国立大のなかでも多くの教職員や研究機関を抱える巨大組織で、各学部の裁量が大きく、学内の統治や改革が進まないことが課題とされてきた。
昨年末には、政府による約10兆円の大学ファンドの運用益から年間数百億円規模の助成が受けられる「国際卓越研究大学」の2回目公募で認定基準に至らず、最長1年の「継続審査」となっていた。認定を審査する有識者会議では「継続審査中にガバナンスに関わる新たな不祥事が生じたと判断された場合は審査を打ち切る」と指摘されていた。
ある東大教授は「短期間に2人も教員が逮捕され、ガバナンス不全と言われても仕方がない」と話した。