衆院解散ではなぜ万歳?安倍元首相のときにはハプニングも…衆院解散を解説
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衆議院が解散されるときには、議場で万歳をするのが通例になっています。なぜ万歳をするのか、総選挙とセットで報道される「衆議院解散」について調べました。(デジタル編集部)
「伝家の宝刀」解散権
衆議院解散とは、全衆議院議員の資格を任期終了前に失わせることです。衆議院議員の任期は4年ですが、首相は任期途中で衆議院を解散することで、議員全員を辞めさせられます。解散すると、衆議院議員を選び直すための総選挙が40日以内に行われます。
憲法7条は天皇の国事行為の一つに「衆議院を解散すること」を定めています。国事行為は「内閣の助言と承認により」行われます。衆議院の解散を決める権限は内閣にありますが、内閣のメンバーは首相が選ぶため、「伝家の宝刀」と呼ばれる解散権は首相が握っています。時の首相が事実上、政局の判断で解散できることになります。
前回の衆議院選挙は2024年10月に行われ、議員の任期は2年半以上残っていました。また、解散から投開票までの日数は16日間と、戦後最短となります。
「紫のふくさ」=解散
解散当日の手続きは、首相が解散を閣議に諮るところから始まります。閣僚全員から解散詔書決定のための閣議書に署名を得ます。衆議院解散の閣議決定が行われると、内閣総務官が皇居に赴き、陛下が署名、押印された解散詔書を持ち帰り、首相が副署します。
詔書自体は公文書として保管され、詔書を複写したものが官房長官から衆議院事務総長を通じて衆院議長の下に運ばれます。議長がこれを読み上げると衆議院解散となります。伝達書は、「ふくさ」とも呼ばれる紫色の風呂敷に包んで運ばれるので、「紫のふくさ」は解散の同義語として使われることもあります。
議員にとっては「リストラ」の宣告のようですが、衆議院議長の「衆議院を解散する」の声を合図に一斉に万歳するのが恒例です。2014年の衆議院解散の際には、議長の読み上げと万歳のタイミングが合わず、やり直す珍事もありました。
当時の伊吹文明議長が「衆議院を解散する」と解散詔書を読み上げると、議場から「万歳」の声が上がりました。続けて伊吹議長が「
ただ、過去には「衆議院を解散する」と読み上げた時点で万歳するケースが多く、最後まで読み上げたのは、1953年の第4次吉田内閣での「バカヤロー解散」以来だったそうです。
なぜ万歳?
万歳する慣習がいつ頃始まったかは不明です。帝国議会の速記録によると、1897(明治30)年12月25日の衆議院解散の際、「拍手起リ『萬歳』ト呼フ者アリ」という記載が残っています。
万歳する理由は「景気づけ」と言われますが、「やけっぱち」「無難なかけ声」「内閣への降伏」「ときの声」「天皇陛下万歳」などの諸説があり、定かではありません。
時の政権や解散などへの抗議の姿勢を示すために、万歳をしない姿もみられます。