立民「公明と一致は十分可能」、安保・エネ現実路線にかじ…国民・玉木代表は「リセット」と協力見直し示唆
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立憲民主党は新党「中道改革連合」の結成を機に、安全保障やエネルギーといった国家の基本政策で公明党と一定の折り合いをつけたい考えだ。立民側は公明が求める現実路線にかじを切る構えだが、新党の綱領や衆院選公約を曖昧な表現にとどめれば、党内対立の火種を残すことになる。
立民の野田代表は16日の記者会見で、新党の基本政策を巡り、「公明と一致することは十分可能だと判断した。詰めをやっている」と述べ、政策面で両党に大きな隔たりがないことを強調した。野田氏が意識するのは、公明が昨年11月にまとめた中道改革ビジョンの骨格だ。「現実的な外交・防衛政策と憲法改正」などの「5本柱」で構成され、安全性の確認と地元理解が得られた原子力発電所の再稼働を容認し、安全保障関連法に基づく「切れ目のない安全保障体制」の構築を掲げている。
立民の安住幹事長は昨秋、公明の「5本柱」との共通点や相違点を整理するよう本庄政調会長に指示していた。公明の斉藤代表も両党の合流協議で、「五つの政策の旗に賛同する人たちで新党を作る」と訴えていた。
政権交代を掲げる野田氏は、昨年9月に新執行部を発足させて以降、党の基本政策を中道路線に修正する機会をうかがってきた。
立民は綱領に「原発ゼロ」を盛り込んでおり、再稼働に慎重な議員が目立つほか、安保関連法に関しても「違憲部分の廃止」と訴えてきたためだ。党内には左派系議員も多く、「党勢が低迷する中、党内対立を解消するには、新党で綱領を作り直すしかない」(中堅)との声もあった。
この日判明した中道改革の綱領原案は、「現実的な外交・防衛政策」などと玉虫色の表現もあり、立民側への配慮が垣間見える。公明内には「政策の一致を置き去りにすれば、党内対立が繰り返されるだけだ」との懸念の声もある。
一方、中道改革は、衆院選で小選挙区に立民出身議員や新人を200人規模で擁立することを目指している。公明は全4小選挙区から撤退して立民側の支援に回る代わりに、公明出身議員は比例選の名簿上位で処遇する見通しだ。
自民党との対決構図に持ち込むには、野党候補の一本化も課題となる。立民の逢坂誠二選挙対策委員長は16日、「国民民主党とせめぎ合う状況は避けたい」と記者団に語り、野党共闘に意欲を示した。
ただ、国民民主の玉木代表は「新党なので、これまでやってきたルールもリセットだ」と語っており、立民と築いてきた一定の協力関係の見直しを示唆した。
5人が先行合流
新党「中道改革連合」は16日、東京都選挙管理委員会を通じて総務相に結党を届け出た。政党要件を満たすため、立憲民主、公明両党の衆院議員計5人が先行して離党し、新党に合流した。代表者には、立民出身の山井和則衆院議員が就き、所在地は東京都内の立民の党本部とした。