“業界最後発PB”をどう進化させるか? イズミの商品開発戦略の全貌を直撃取材
中四国・九州で総合スーパー(GMS)と食品スーパー(SM)を展開するリージョナルチェーン、イズミ(広島県/町田繁樹社長)が食品部門の変革に取り組んでいる。その中核となるのが、2025年9月に販売を開始した、自社初のプライベートブランド(PB)「ゆめイチ」だ。リージョナルチェーンの強みを生かし、店舗を展開するエリアの産地に入り込むなど、地域密着の商品開発を加速させる。今後の戦略について、イズミ上席執行役員 食品本部長の山野正道氏とPB事業企画部部長の鎌田進也氏に話を聞いた。
SM業態の出店拡大に向け、PB導入で商品力強化
──食品本部の現在の方針を教えてください。

山野 消費者の購買行動は多極化し、購買チャネルも多様化しています。われわれはGMSとSMの2業態を展開する企業です。消費動向が著しく変化していく中で、異なる2業態それぞれがお客さまに選ばれる立ち位置を確立することが大きな課題になっていました。普段使いされるSMと、週に1回程度利用されるGMSでの商品政策(MD)を両立させることが、イズミの食品本部に課された使命です。
──足元ではどのような施策を展開していますか。
山野 注力しているのが、青果・鮮魚・精肉の生鮮3部門で圧倒的な特徴を出すことです。われわれが店舗展開する中四国・九州エリアには、魅力的な産地がたくさんあります。GMSはそれを強みに商品や原料を集め、集客装置にしようと取り組んでいます。
一方、SMはデスティネーション・ストアをめざす郊外型と、ローコストオペレーションを志向する都市部の小型店と、立地によって店舗の形態が異なります。生鮮3部門に特徴を持たせることはGMSと変わりませんが、小型店は店舗規模やオペレーションの関係で、生鮮部門に郊外型と同じように人手を割くことは困難です。そこでカギとなるのが、25年9月に新しく立ち上げたPB「ゆめイチ」です。
──「ゆめイチ」は“業界最後発”を掲げていますが、なぜ今、PBを新たに立ち上げたのでしょうか。
山野 イズミのMDは、これまでナショナルブランド(NB)を中心とした品揃えに特化していました。PBについてはセブン&アイ・ホールディングス(東京都/スティーブン・デイカス社長)のPB「セブンプレミアム」と、子会社のゆめマート熊本(熊本県/寺本智広社長)では日本流通産業(大阪府/大桑弘嗣社長)のPB「くらしモア」を取り扱っていたこともあり、「自社PBは必要ない」という思いがありました。
ただ、前述したように消費者の購買行動は多極化し、インフレも続いています。その中で若年層を取り込めていないという課題が顕在化しました。さらに、イズミでは会社方針として「2030年 長期ビジョン」を掲げ、SM300店舗体制の確立をめざしています。とくに店舗網の強化を掲げる九州エリアは価格競争が一段と激しい市場になっています。
こうした課題と現状に対応するためには、自社のPBが必要だと考え、立ち上げたのが「ゆめイチ」でした。イズミがこれからも長きにわたって存続して地域に貢献し、経営理念を実現するために不可欠な存在だと考えています。

「ゆめイチ」開発を機に部門間連携が加速
──「ゆめイチ」の商品開発の方針を教えてください。

鎌田 「ゆめイチ」では、「セブンプレミアム」を補完する領域で、日配品を中心に商品開発を進めています。“最後発”だからこそ最高のPBをめざし、「味は絶対に妥協しない」というのが基本的な方針です。戦略としては顧客視点を重視した
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この記事をさらに読むと、新PB「ゆめイチ」の価格戦略やヒット商品の裏側、さらには部門間連携による組織の変化と、2030年に向けた九州・中四国エリアでのシェア拡大戦略について理解することができます。
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