「レアアース磁石」採鉱から製造まで完結、世界で唯一中国だけ…脱炭素の主導権握る構え
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中国の
世界最大級
広東省広州から車で約2時間の山間部にある韶関市新豊。3月下旬に訪れると、水田や畑、イチゴ栽培の温室などが広がるなか、新しく舗装された真っ白な道路が山の合間へ続いていた。地元のレアアース鉱山だ。赤茶色の土壌をむき出しに、2段、3段と切り崩された山の斜面の麓には、ショベルカーなど重機数台が止まっているのが確認できた。
「このあたりの山すべてにレアアースが眠っている。開発はこれからだ」。地元の住民らの期待も大きい。
中国メディアによると、この鉱山は、中国南部に偏在する「イオン吸着型」と呼ばれる鉱山の中で世界最大級だ。イオン吸着型は、磁石の耐熱性を高めるジスプロシウムなどの「重レアアース」を多く含む。中国は近年、陸続きのミャンマーからの輸入も強化し、世界の多くの国が中国の重レアアースに依存している。
中国は、レアアースを用いた高性能磁石の原料の採鉱、精錬から合金、磁石製造まで自国内で完結できる態勢を世界で唯一構築している。今後もレアアースの生産を増強し、磁石の製造設備も大規模化して低コスト化を図り、世界市場の支配を狙う。
上流から下流
中国政府が昨年12月に公表した産業技術の輸出規制リスト「中国輸出禁止・輸出制限技術目録」の改定案は、ネオジムやサマリウムコバルトなど高性能磁石の製造技術を輸出禁止項目に新たに盛り込んだ。業界関係者は「中国は以前は磁石のサプライチェーン(供給網)で原料採掘の上流しか押さえていなかったが、いまや下流の製造まで押さえている」と解説する。
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