3月で終了の「104」番号案内、不安和らげてくれた「あのときのオペレーターのように」と思い込め28年
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[ラストストーリー]<6>
「104の番号案内は2026年3月末で終了します」
24年夏、横浜市にあるNTTのコールセンター。上司からそう伝えられたとき、オペレーター歴28年の中島典子さん(67)は「いよいよか」と思った。固定電話が減り、スマートフォンで誰もが簡単に電話番号を調べられるようになった。いつかそんな日が来るだろうと感じていた。
ピークの1989年度に約12億件だった国内全体のサービス利用件数は近年、1000万件程度に低迷していた。周りの同僚も落ち着いた様子だった。同じ気持ちだったのだろう。
店舗や個人宅などの電話番号を調べるNTTの有料サービス。「104」にかければ、全国どこからでもオペレーターにつながる。
中島さんがその受け手に回ったのにはきっかけがあった。専業主婦だった30歳代の頃、気になる症状があり、婦人科の病院に通おうとした。ところが、わかっていたのは実家近くの大きな病院ということだけ。困り果ててダイヤルを回した。
「最寄り駅は、池尻大橋か駒場東大前だったような……」。あやふやな記憶を基に尋ねると、電話口のオペレーターが「大丈夫ですよ。ご案内します」と包み込むように応じてくれた。不安な気持ちが和らいだのを今でも覚えている。
紹介された病院では2年ほど不妊治療を受けた。望んだ結果は出なかった。気持ちを切り替えて仕事を探し始めたとき、新聞の折り込みチラシで見つけたのが104の求人広告だった。
「あのときのオペレーターのように私も誰かの力になりたい」。98年、オペレーター業務を担う「NTTテレマーケティング」(現NTTネクシア)に入った。
ヘッドホンから「プッ」という短い着信音が聞こえると、息を整え、口角を上げてマイクに向かう。「はい、104の中島です」
これまで何回応対しただろう。勤務時間中はほぼ休みなしで電話を取る。1本でも多く受けるため1回の案内時間は原則30秒以内と決められているが、これがなかなか難しい。
お店のジャンルと最寄り駅しかわからないなど、曖昧な情報を基に尋ねてくる人も多い。そんなときは、かつての自分を思い出し、ことさら丁寧な対応を心がけている。
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