「無料でアダルト作品をダウンロード」すると自動で違法動画を投稿…匿名投稿者の情報開示請求が急増、年47万件超
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インターネット上の匿名投稿者の個人情報を巡り、ネット接続事業者(プロバイダー)に対する開示請求が急増している。大手5社への請求は2024年度、前年度の約2・3倍にあたる47万件超(推計)に上った。動画をダウンロードすると、同時にその動画がアップロードされる仕組みを持つ特定のファイル共有ソフトの存在が要因で、総務省が慎重な利用を呼びかける事態となっている。(杉本和真、小松大騎)
違法動画、見ただけで「投稿者」に
プロバイダーへの請求は、情報流通プラットフォーム対処法(旧・プロバイダー責任制限法)に基づき、投稿被害を訴える側が、氏名や住所、電話番号など投稿者の情報開示を求める手続き。プロバイダーは請求を受けると、IPアドレス(インターネット上の住所)から投稿者を特定し、個人情報の開示に応じるかどうか意見照会しなくてはならない。投稿者が応じない場合、請求者には裁判を起こすという選択肢もある。
問題のソフトは米IT企業などが提供するもので、アダルト動画が制作側の許可なく違法にアップロードされているケースが目立つ。利用者がソフトを利用してこうした動画をダウンロードすると、自動的に同じ動画の一部が再度、アップロード(投稿)され、別の利用者へ提供可能な状態になる。
利用者同士が大容量のデータを素早く共有するために構築された独自の仕組みだが、利用者は意図せず違法動画の「投稿者」になるため、複数の動画制作会社側が数年前から「著作権侵害だ」として個人情報の開示を求めるようになった。情報が開示されると、制作会社側は投稿者に示談金など損害賠償の支払いを求める手続きに移る。