イラン各地でデモ、少なくとも8人死亡…制裁による経済悪化で国民の不満爆発
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【テヘラン=吉形祐司】イランで経済状況の悪化に抗議するデモが各地に広がり、治安部隊との衝突で西部ロレスタン州などで1日までに少なくとも8人が死亡した。2022年以来となる大規模デモは、反体制運動の様相を帯びつつある。核開発に対する制裁が生活を圧迫しており、政権が警戒してきた国民の不満の爆発が現実となっている。
デモは昨年12月28日、首都テヘランの商業地区で、バザール商人らが店舗閉鎖を呼びかけて始まった。大学生が加わり急速に拡大。司法当局の発表や人権団体などによると、ロレスタン州などで12月31日に計3人が死亡、1月1日にも同州で3人が死亡した。中部イスファハンや南部ファルス州でも計2人が死亡した。
地元メディアの報道やSNSへの投稿動画などをもとにした本紙の集計によると、1月2日現在で全31州のうち少なくとも20州でデモや集会などが行われた。
イランでは22年、女性の髪や体を覆い隠す「ヘジャブ」の着用強制に抗議するデモが全土に拡大し、その後、政権は再燃を警戒してきた。今回のデモでは、当時のスローガンや、「独裁者に死を」などと叫ぶ参加者が徐々に増えており、1979年のイスラム革命で打倒された王政を賛美する声も混じっている。
イランでは核開発に対する米国の制裁が再開された2018年以降、現地通貨のリアル安、ドル高が徐々に進んだ。物価の高騰が続き、国民生活を圧迫している。
昨年6月のイスラエルによる攻撃と、それに続く対イラン国連制裁復活の後はリアル安に拍車がかかり、12月28日に実勢レートで1ドル=143万2000リアルと最安値を更新。リアルの価値は15年の核合意当時に比べると約44分の1になった。通貨下落の影響などで、40%を超える物価上昇率が数年にわたって続くなど、物価高騰が深刻化している。
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