九州発 西部本社編集局

「幻の魚」ヤマノカミ、高校生「生息場所を明らかにしたい」…最新の「環境DNA技術」で探る

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傷つけず調査

 ヤマノカミは1~3月に海で生まれ、稚魚は成長しながら川の中流域まで 遡上そじょう する。主に昆虫や小型の魚を食べ、体長は最大で約18センチ。ヤマノカミは朝鮮半島や中国大陸・黄海周辺にも分布するが、有明海に生息するのは、かつて大陸と陸続きだった名残とされる。

 ただ、水中を泳ぐ魚の調査は簡単ではない。一般的に網を投げて捕まえたり、潜水したりして調べるが、専用の資機材と人手が必要で、天候にも左右される。

川の水をこし取り、茶色に染まったフィルター。このフィルターから環境DNAを抽出する(3月17日、福岡県みやま市で)
川の水をこし取り、茶色に染まったフィルター。このフィルターから環境DNAを抽出する(3月17日、福岡県みやま市で)

 一方、環境DNAによる調査は、捕まえなくてよいため、希少種を傷つける恐れがない。別の場所から持ち込まれたDNAが混じらないようにする必要があるが、バケツ1杯分の水があれば分析が可能という。九州大の清野聡子准教授(生態工学)は「必要な作業が圧倒的に少なく、調査によって生物が減ることを避けられる」と強調する。

繁殖に謎

 同高の研究は、明らかになっていない繁殖の全容を解明する手がかりとなるかもしれない。

 水産大学校(山口県下関市)の竹下直彦教授(魚類生態学)らは、毎年晩夏から初秋にかけ、長崎県・諫早湾や佐賀県南部の川など約20か所で潜水し、目視による生態調査を行っている。

 竹下教授によると、佐賀県の川などでは、海水と淡水が混じる汽水域で、カキや有明海特産の二枚貝・タイラギの殻に卵を産み付ける。一方、福岡県南部の矢部川河口付近などにこのような貝殻は少なく、どのような条件で繁殖するのかが、よく分かっていない。

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