<戦後80年>亀島山地下工場 平和学ぶ場

スクラップ機能は読者会員限定です
(記事を保存)

メモ入力
-最大400文字まで

完了しました

軍用機部品製造 倉敷の戦争遺跡

地下工場跡を見学する参加者ら(倉敷市で)
地下工場跡を見学する参加者ら(倉敷市で)
地下工場跡への入り口。中に入ると冷気に包まれた(倉敷市で)
地下工場跡への入り口。中に入ると冷気に包まれた(倉敷市で)
水島コンビナート(左奥)近くにある亀島山(倉敷市で)
水島コンビナート(左奥)近くにある亀島山(倉敷市で)

 倉敷市の水島地区では太平洋戦争末期、アメリカ軍の空襲を避けるために飛行機の地下工場がトンネルの中に建設された。終戦から80年。「亀島山地下工場」と呼ばれる県内最大級の戦争遺跡では、「平和を学ぶ場として多くの人に知ってもらいたい」と、地域ぐるみの保存の取り組みが進められている。(中村申平)

「語りつぐ会」見学会 トンネル33本 保存の道探る

 地下工場は、三菱重工業水島航空機製作所(現三菱自動車水島製作所)が、標高78メートルの亀島山に1944年頃からトンネルを掘削して整備を始めた。麓にある軍用機などの製造設備を守るための疎開工場の一つで、掘削と並行して工作機械で部品の製造が行われ、工場そのものは未完成のまま終戦を迎えた。

 総延長約2キロに及ぶトンネルは、東西方向に5本、それらをつなぐように南北方向に28本の計33本が掘られている。いまもその姿をとどめており、普段は立ち入り禁止だが、遺跡の歴史的な意義を伝える活動を行う住民グループ「亀島山地下工場を語りつぐ会」が完全予約制の見学会を実施していて、年間約500人が訪れる。

 同会は今年5月、戦後80年の節目に合わせて構内に解説看板を計8枚設置。地下工場の全体地図や掘削に使った道具のイラスト、地元中学校の美術部員が2017年に紙芝居用に制作した、戦時中にトンネルを掘り進める様子を描いた絵画などがあしらわれている。

 見学会では、南側入り口から1号トンネル(長さ約160メートル、高さ約4メートル)へと進み、岩肌がむきだしの天井や工作機械を設置した跡などの遺構を巡ることができるが、トンネルは劣化が進んでおり、将来的に崩壊する恐れが高まっている。

 ガイドを務める同会の村田秀石さん(58)によると、全国的にも地下 ごう の埋め戻しや封鎖が進められているといい、村田さんは「実体験を語ることができる証言者が減っていく中で、若い世代に戦争を語り継いでいくには遺跡などの活用が必要。現地に行かないと分からない感覚や学びもあり、保存や一般公開に向けた最善の方法を探っていきたい」と話している。

     ◆

 「亀島山地下工場を語りつぐ会」による亀島山地下工場の見学会は、通年で希望者を受け付けている。日程によってはガイドを務める会員の都合で、見学を断る場合もある。申し込みや問い合わせは、同会事務局(086・448・3369)へ。

岡山の最新ニュースと話題
スクラップ機能は読者会員限定です
(記事を保存)

使い方
速報ニュースを読む 「岡山」の最新記事一覧
注目ニュースランキングをみる
記事に関する報告
7035835 0 岡山のニュース 2025/08/28 10:00:00 2025/08/28 10:00:00 2025/08/28 10:00:00 /media/2025/08/20250828-OYTNI50033-T.jpg?type=thumbnail
注目コンテンツ

注目ニュースランキング

主要ニュース

おすすめ特集・連載

読売新聞購読申し込みバナー

アクセスランキング

読売IDのご登録でもっと便利に

一般会員登録はこちら(無料)